冷戦時代まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:07 UTC 版)
1947年9月18日、アメリカ陸軍航空軍が空軍となり、陸軍から独立した。主要国でも組織としての空軍が一般化した。例外としてはスイスやオーストリアなどは現在も陸軍の所属であり、名義上では空軍として独立していても、指揮系統において陸軍の下に位置する。またソビエト連邦などの東側諸国などでは、防空任務を行う防空軍が空軍とはさらに別の組織として設立された。 日本においては、再軍備の途上である保安隊(陸上自衛隊の前身)・警備隊(海上自衛隊の前身)時代には、戦前同様に航空部隊は保安隊・警備隊に分属していたが、1954年(昭和29年)に自衛隊に改組される際に、国際の趨勢に従い航空自衛隊として分離独立することとなった。 冷戦時代は、空軍の任務として敵対国への核爆弾攻撃が重視され各国で多数の爆撃機が開発された。これらの爆撃機は万一の事態に備えて整備され、いつでも核爆弾を搭載して飛行できるように準備されていた。戦闘機・爆撃機とも1950年代にはジェット化された。 第二次世界大戦末期にドイツで開発されたV2ロケットは、大戦後に核爆弾を搭載した大陸間弾道ミサイルに進化した。これらの攻撃を探知し防御することも空軍の重要な任務となった。また、仮想敵国の情報を入手するため、専用の偵察機が種々製作され運用された。 一方、発展途上国においては戦闘機・爆撃機を戦略上必要とせず、また、価格的にも高価である事から入手せず、COIN機のような廉価かつ操縦性の容易い機体が選ばれるようになった。これは冷戦時代を背景に各地で左翼ゲリラ活動が行われるようになり、従来の戦闘機・爆撃機ではリスクが合わなくなってきた為である。こうした動きは、ベトナム戦争においてアメリカが、アルジェリア紛争においてはフランスがこうした任務の機体の必要性を痛感した事も一因となった。
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