冷戦時代の各軍の棲み分け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 07:47 UTC 版)
「旧東側の空軍組織」の記事における「冷戦時代の各軍の棲み分け」の解説
空軍 前線における航空戦力の中核をなすべくして組織された軍隊。元来、前線戦闘機、戦闘爆撃機、攻撃機、前線偵察機、爆撃機、輸送機などを保有し、前線の地上部隊支援、上空の制空権確保といった陸軍直協空軍としての戦術的任務の他、輸送や爆撃といった戦略的任務を司った。 なお、ソ連には他に戦略ロケット軍という戦略任務を遂行する独立した軍があったが、ニキータ・フルシチョフの「ミサイル万能論」により、こちらの方に戦略的任務の重点が置かれた。 防空軍 領土防衛のために組織された軍隊。領空に侵入してくる敵機を警戒・迎撃することを任務とした。初期、防空任務には二線級の戦闘機や諸々の問題を抱えた機体が配備され空軍よりも一段下に見られていたが、冷戦中期以降、防空軍には最も高度なシステムを搭載する迎撃戦闘機、早期警戒機などが配備され、特にソ連防空軍にのみ配備が許された機体もあった。 ソ連以外の国では名目上のみ防空軍(東ドイツなどのように「空軍及び防空軍」として組織上両者が統合されている国もあった)であり、運用する機体は空軍のものと特に変わりはなかった。 海軍航空隊 攻撃用の固定翼機や高速機を装備する部隊は空軍や防空軍と同様の機体を装備し、それらとの任務上の重複も多かった。強いて言えば海軍航空隊は海軍基地周辺と艦艇、海軍歩兵部隊を防衛するというものであったと言われている。 一方、海軍航空隊では艦載ヘリコプターや水上ヘリコプター、飛行艇なども運用し、これらは対潜水艦任務などの哨戒活動、海上救難活動等に用いられた。 なお、旧ソ連海軍航空隊はアメリカ海軍空母戦闘群への攻撃も主任務としていたため、対艦ミサイルを搭載したTu-142(Tu-95の海軍型)、Tu-22、Tu-22M、Su-24といった中距離攻撃機・長距離爆撃機も運用していた。 陸軍航空隊 冷戦末期、ソ連ではそれまで空軍で運用してきた各種ヘリコプターを陸軍に移管した。
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