冬島家とその関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/18 09:31 UTC 版)
冬島 綾女(ふゆしま あやめ) 36歳のシングルマザー。一人息子の研司を育てながら下町のポスターパネル加工工場で働く。富山県氷見の出身。実家では義理の父に性的な嫌がらせを受け、逃れるために故郷を離れる。そのために男性とは健全な関係が築きにくく、たびたび本心から愛していない男と交際したり、年上の男性に父性を求め身を任せたい衝動にかられることがある。家族への仕送りのため水商売の世界に入り、次第に経験を積んで売れっ子になり、スカウトされた赤坂の高級クラブで油井と知り合い結婚、研司をもうける。虐待を働くようになった油井から逃れるため馬見原の力を借りて以来、研司を交えて疑似家族的な関係を持っている。しかし闘病中の馬見原の妻・佐和子への罪悪感に悩み、最後は馬見原への甘えの気持ちを自ら絶つ。 冬島 研司(ふゆしま けんじ) 綾女の息子。7歳。父の油井に虐待を受けた末、頭をドアに挟まれて頭蓋骨骨折の重傷を負わされる。油井を恐れ、馬見原を「お父さん」と呼び、たびたび救いを求める。油井が再び現れてからは、不安から綾女の同僚で知的障害を持つ青年・トムをいじめる他害行為に走ってしまう。 油井 善博(ゆい よしひろ) 綾女の元夫で研司の父親。ヤクザ。元はエリートで銀行に勤めていたが、暴力団に入り経理を担当する。知的な印象を与えて綾女を惹きつけたが、結婚後研司が生まれると綾女を盗られたかのように息子に嫉妬し、虐待を加えるようになる。馬見原の尽力で別件逮捕されて服役し、離婚し研司の親権を手放すが、これを馬見原に家族を壊されたと考え恨んでいる。出所後は馬見原と組幹部からの圧力を無視して冬島親子に付きまとうが、最後には親子に撥ねつけられ、車で逃走中に研司の描いた絵に偶然視界を遮られて交通事故死する。ヘロインを常用している。 若田部(わかたべ) 綾女の職場の主任。娘2人を育てる父子家庭の父でもある。綾女に親切に接し、再婚を申し込むが油井のことで綾女には断られる。その後、綾女からの誘いで一度肉体関係を持つが、直後に彼女は東京を離れる。終盤、トムに背中を押される形で、年賀状を手掛かりに綾女を訪ねる。 トム 工場の従業員。本名は友男(ともお)だが、自身はトムと呼ばれることを好み周囲もそう呼ぶ。知的障害を持ち、工場で働きだした18歳の頃から無遅刻無欠勤を続けている。おとなしく優しい性格で、暗く狭い場所を怖がる。冬島親子を慕っていて、一時期研司にいじめられた際も彼をかばい、綾女が工場を辞めた際は自分も辞めるといって聞かず、のちに若田部とともに彼女を訪ねに行く。
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