信奉者の活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:57 UTC 版)
ケムトレイル陰謀論の信奉者は、自身の体験を回心に似ていると表現することが多い。ケムトレイルに「気づき」「目覚める」と、その体験が様々な形でのアドボカシー活動へと彼らを駆り立てるという。例えば、地球工学に関するイベントや会議に頻繁に参加したり、地球工学分野で活躍している学者に脅迫状を送ったりしている。 2001年、アメリカ下院議員のデニス・クシニッチは、有権者の要望に応えて、宇宙空間での兵器使用を恒久的に禁止する2001年宇宙空間保全法(法案番号: H.R. 2977、第107議会)を提案したが、その際にケムトレイルを禁止すべき数多くの「エキゾチック・ウェポン」の一つとして挙げた。信奉者は、このケムトレイルへの明確な言及を、政府がケムトレイルの存在を公式に認めたものと解釈している。懐疑派は、この法案が「地球外兵器」や「環境・気候・地殻変動兵器」にも言及していることに注目している。この法案は、国防総省から否定的な評価を受け、委員会で否決された。その後、クシニッチが宇宙空間保全法を制定しようとして失敗した3つの試みのどれにも、ケムトレイルについての言及はなかった。 2003年には、「空中散布に使用されている化学物質が健康に悪影響を与えている」という懸念に基づくカナダ国民の請願に対して、カナダ政府の院内総務は、「カナダの空域で高高度化学物質散布が行われているという主張には、科学的にもその他の点においても、実証された証拠がない。『ケムトレイル』という言葉は一般化された表現であり、その存在を裏付ける科学的証拠はない」と述べた。さらに院内総務は、「請願者が見ているものは、通常の飛行機雲だと我々は考えている」と述べた。 イギリスでは、2005年に環境・食糧・農村地域省の閣外大臣であるエリオット・モーリーが、ストラウド議会議員である労働党員のデビッド・ドリュー(英語版)から「航空機のケムトレイルによる汚染の影響について、同省はどのような研究を行っているか」と質問された際に、「航空機からのケムトレイルは科学的に認められた現象ではないため、同省は研究を行っていない」と回答し、「飛行機雲がどのように形成され、大気にどのような影響を与えるか」を理解するために研究を行っていると回答している。 ケムトレイル陰謀論の信奉者の中には、パイプを束ねた装置「クラウドバスター(英語版)」を考案したヴィルヘルム・ライヒ(1897年 - 1957年)の考えを採用する者もいる。ライヒは、クラウドバスターは天候に影響を与え、大気中の有害なエネルギーを除去すると主張していた。信奉者の中には、水晶や金属片で満たされたクラウドバスターを作成し、ケムトレイルを除去しようと空に向ける者もいる。 ケムトレイル信奉者は、政府や学術機関からの報告に頼らず、自らサンプルを収集して実験を行うこともあるが、その実験には大抵欠陥がある。例えば、金属製の蓋が付いた瓶(サンプルが汚染されるため、科学実験では使用されない)でサンプルを収集することなどが挙げられる。
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