信号柱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:59 UTC 版)
信号機を取り付けられるのに用いられる「信号柱」は、標準的な十字路の場合は交差点の四隅に設置され、それぞれに車両用信号機と歩行者用信号機が取り付けられる。信号柱には制御器や信号機が取り付けられるほか、信号柱どうしまたは各機器(制御器・信号機)に配線するための「端子箱」、信号制御器と交通管制センターと情報通信を行うための回線を収容し保護する「専用線保護箱」、電路を開閉するスイッチを内蔵する「電源開閉器箱」が取り付けられている。 信号機を取り付けるのに使われる「信号柱」は原則として専用の柱を設置するのが望ましく、他の所管(電力会社や電話会社など)の柱を借用するのは望ましくない。ただし、専用の柱を設置することが困難な場合や事故などによって信号柱が使えない場合などは柱を借用することを検討することになる。。横断歩道の側端に設置する場合は、右左折する車両などからの見通しを妨げることがあってはならない。柱の種類は材質によって「鋼管柱」と「コンクリート柱」がある。ただし、鋼管柱の方が強度が大きいため、信号柱の交換では老朽化したコンクリート柱は鋼管柱に更新される。コンクリート製の信号柱はかつて半永久構造物とされてきたが、柱内部の鉄筋が水素脆化に関する注意喚起がなされている。また、海に近い場所は潮風の影響を受け、それ以外の市街地でも犬などの排泄物で内部の腐食が進む。よって、磁気や打音などによる非破壊検査を踏まえた維持管理も行われている。 現在新設する信号柱は溶融亜鉛メッキ鋼管柱・根入式・長さ9 m・直径165 mmが標準となっている。柱の長寿命化を施すため、地際部を二重構造として防錆塗装を施したものが高い耐久性を持つ。信号柱の設置予定地に埋設物が存在し、根入式の信号柱が設置困難な場合は根本がベース式の信号柱が設置され、この場合は柱の長さは7.5 mが標準となる。道路構造の制約により標準的な長さの柱を設置することが困難な場合は短い柱(短尺柱)を設置する。また、狭隘な歩道上に設置する場合は外径の細い柱を設置の検討を行う。幅員が広い道路で信号用のケーブルを上空に架設する場合や、長いアームに車両用灯器を取り付ける場合は太径の信号柱が検討され、場合によっては長い柱(長尺柱)の設置も検討される。信号ケーブルが地下に敷設されたときに灯器・制御器と結線するためケーブルを入れたパイプが信号柱に取り付けることがあるが、通行の支障や景観の破壊が懸念される場合は柱内部に信号ケーブルを通せる中通し柱が使用されることがある。柱頭式で歩行者用灯器を取り付ける場合、直径101 mmで灯器の下面高さが3 mの柱頭式柱が設置される。一般的な柱が設置できない場合はクランク式の柱を設置し、柱に荷重が大きくかかる場合は杭式の柱を用いる。
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