体感治安とデマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:50 UTC 版)
近年ではネットでデマが流布することも体感治安の悪化の一因と指摘されている。報道はされないが聞いた話として、善意で凶悪事件の注意喚起をするツィートなどが拡散されることで、不安をあおるというもの。 1999年、福岡県春日市で「6歳の娘がショッピングセンターのトイレで3人の中学生に暴行され、子宮が破裂した」という噂が広がり、西日本新聞が取材したところ、1999年6月13日号に「デマだと判明」という記事が掲載された。しかし、「本当にデマなのか」「事実だと信じて疑わなかったのに」など問い合わせが殺到した。 2005年には、「イオンのトイレで女児が暴行された」という話が独り歩きし、小さな子どもを持つ保護者らの間を席巻したが、高知署やイオンは「あり得ない」と真っ向から否定し、高知新聞の調べでも事実は全くの無根であると判明した。似たような話が数年前から全国各所で発生しては消えており、ネットなどで「都市伝説」と形容されるうわさ話の一つとみられている。事件が公表されないのは「被害者の強い要望」などと語られるが、高知署の北村明彦副署長は「そんなこと(隠すこと)、できるわけないでしょう」としている。元をたどっても「うわさで聞いた」としか確認できず、通報の事実もないため、故意に虚偽情報を流した場合、名誉棄損も考えられるとしている。 2007年には、「大型ショッピングモールで目を離したすきに、子供がトイレで性的暴行にあい、男子はお尻にボールペンを入れられ、女子は3歳で子宮を全摘出しなくてはならなくなった」というチェーンメールが流行し、神奈川県警、大阪府警、各種ニュースでなどで注意喚起が行われた。転送が繰り返されるうちにメールも変化し、「事実、友達が日曜に〇〇店1階で、どこかのママが泣きながら、(被害に遭った)男の子を抱きかかえて裏口に入っていくのを見た」などと情報はエスカレートした。ワンクリック詐欺の可能性も指摘され、「うそのメールとはいえ、実際にあってもおかしくない程度の信憑性がある。不審者情報に敏感な母親なら事実と信じ込んで一気に広がってしまう」「不安に思っても事実確認をし、転送しないように」と呼びかけられた。
※この「体感治安とデマ」の解説は、「性的対象化」の解説の一部です。
「体感治安とデマ」を含む「性的対象化」の記事については、「性的対象化」の概要を参照ください。
- 体感治安とデマのページへのリンク