企画者=ショーランナーでない場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 02:29 UTC 版)
「ショーランナー」の記事における「企画者=ショーランナーでない場合」の解説
番組企画者(クリエイター)がショーランナーまたは共同ショーランナーを務めるのが通例だが、必ずしもそうだとは限らない。企画の練り直しやパイロット版の再製作に伴うクリエイター降板、クリエイターが多忙で現場の指揮ができない場合、製作会社や放送局との意見の食い違いによる途中退陣、他番組への移行など、ここでは具体例を紹介する。 『LOST』は元々、ABCからの「『キャスト・アウェイ』のような新番組を」という要請によってジェフリー・リーバーが『Nowhere』という題名で企画し、パイロット版の脚本を書いていた。しかし、それは『ロビンソン漂流記』を焼き直したものでしかなく、数シーズンにわたる継続は無理と判断したABCは、J・J・エイブラムスに手直しを依頼。エイブラムスは、SF設定、ミステリー要素、バックストーリーを加えた新脚本をデイモン・リンデロフと共同執筆し、パイロット版の監督も担当した。パイロット版製作後、エイブラムスが『ミッション:インポッシブル3』で劇場映画監督デビューすることが決定し、『LOST』の現場を離れることになった。ショーランナーとしての経験が皆無だったリンデロフは、かつて『刑事ナッシュ・ブリッジス』で脚本家デビューをさせてもらった恩師カールトン・キューズに協力を依頼。以後、この2人が番組終了まで共同ショーランナーを務めた。元の企画者だったリーバーは共同クリエイターとしてクレジットされているが、実際の製作には全く関わっていない。 『ヤング・スーパーマン』を企画・考案したアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーの2人は、脚本執筆も行いながら共同ショーランナーを務めていたが、第7シーズンの製作が終了すると、理由を明言しないまま番組から完全に降板した。2年半後、ガフとミラーは「ワーナー・ブラザースが関連会社のThe WBやThe CWに不当に安いライセンス料で『ヤング・スーパーマン』の放映権を与えた(垂直統合)まま再交渉もせず、また他国市場での抱き合わせ販売においては比較的低人気の番組のライセンス料を『ヤング・スーパーマン』のそれより高く設定した。その結果、同番組の収益、ひいては我々に対する報酬が減ることになった」などとして訴訟を起こした。ちなみに、第8シーズンのショーランナーにはTodd Slavkin、Darren Swimmer、Kelly Souders、Brian Petersonが就任。4人とも、第2シーズンより脚本家として参加し、第7シーズンまでに製作総指揮に昇格していた。その後、SlavkinとSwimmerが新番組『メルローズ・プレイス』(2009年版)のショーランナーを務めることになったため降板。第9シーズン以降はSoudersとPetersonの2人が共同ショーランナーとして続投した。 『スーパーナチュラル』はエリック・クリプキが企画・考案し、自ら脚本も書きながら第5シーズン終了までショーランナーを務めた。クリプキ自身の構想としては、その時点で物語が完成していたが、The CWが番組継続を希望したため、クリプキは「第6シーズン以降、ショーランナーとしての役割をセラ・ギャンブルに譲る」と表明した。ちなみに、セラ・ギャンブルは第1シーズンから脚本チームに参加していたが、第3シーズンから「プロデューサー」の肩書きが加わり、第5シーズンから製作総指揮に昇格していた。なお、「セラ・ギャンブルのショーランナーとしての責任」に関するインサイド・ジョークが第6シーズンの第15話に含まれている。もっとも、クリプキは完全に不在となったわけではなく、第7シーズン現在、「executive consultant」としてクレジットされている。
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