南アフリカの人類化石遺跡群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 02:42 UTC 版)
南アフリカの人類化石遺跡群(みなみアフリカの じんるいかせき いせきぐん)は、人類の進化の研究において、重要な化石人骨などが出土した遺跡群を対象とする南アフリカ共和国の世界遺産である。1999年にスタルクフォンテイン、スワルトクランス、クロムドライなどを対象として「スタルクフォンテイン、スワルトクランス、クロムドライおよび周辺地域の人類化石遺跡群」[注釈 2]の名称でユネスコの世界遺産リストに文化遺産として登録され、2005年にマカパン渓谷、タウング頭蓋化石出土地が追加登録された。現在の名称に変更されたのは2013年のことである。
注釈
- ^ 世界遺産登録資産は大抵、世界遺産センターの概要ページに面積の記載があるが、この資産についてはそれがないので、Fossil Hominid Sites of South Africa - Multiple Locationsに掲載された個別資産の面積を合計して示した。緩衝地域も同じ。
- ^ 登録名及び拡大登録資産名に出てくるスタルクフォンテイン、スワルトクランス、クロムドライ、マカパンスガット、タウングの5件は古人類学者による文献である諏訪 (2006) の表記に従う。諏訪 (2006) に見られない他の地名は、適宜ほかの文献にも依拠した。世界遺産関連書籍などでの登録名表記の揺れは#登録名の節を参照のこと。
- ^ ブルームはそれをアウストラロピテクスとは別種の「プレジアントロプス・トランスヴァーレンシス」(Plesianthropus transvaalensis) と名づけていたが、現在ではアウストラロピテクス・アフリカヌスと認識されている(河合 (2010) p.109)。
- ^ 「プレス」という名は、前述の種名「プレシアントロプス・トランスヴァーレンシス」の最初の4文字に由来している(河合 (2010) p.113)。
- ^ リトル・フット発見のきっかけになった足骨だけは、全身像の発見より先の1995年に、論文が公表されている。そこでは足骨の構造がアウストラロピテクス・アファレンシスよりも原始的とする分析が示されたが、否定的な見解もある(諏訪 (2002) pp.826-827)。
- ^ 発見者のバーガーはもともとアウストラロピテクス・アフリカヌスが人類進化の傍流ではなく、本流に近いか本流そのものに位置しているという立場だった(cf. バーガー (1998))。そのため、バーガーによるセディバの位置付けを評価する時には、その点を考慮した方がよいかもしれないことを示唆する者もいる(河合 (2010) pp.104-105)。
- ^ 邦訳は『アフリカ創世記 - 殺戮と闘争の人類史』徳田喜三郎 森本佳樹訳、筑摩書房、1973年刊。
出典
- ^ Maropeng - The Cradle of Humankind Official Website
- ^ L.R. Berger and B. Hilton-Barber, Field Guide to the Cradle of Humankind (Struik, 2003)
- ^ Fleminger, David (2008). The Cradle of Humankind. 30° South Publishers. pp. 7–10. ISBN 0-9584891-3-0.
- ^ Smith, David (15 January 2010). "Visit to the Cradle of Humankind". London: The Guardian. Retrieved 2010-05-20.
- ^ フィッシュマン (2011) p.86
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) pp.48-49
- ^ コパン (2002) pp.120-121
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.52
- ^ コパン (2002) pp.122-127
- ^ 河合 (2010) pp.110-111
- ^ 河合 (2010) pp.108-110
- ^ 諏訪 (2006) p.48
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.75-78
- ^ 河合 (2010) pp.117-118
- ^ 諏訪 (2006) p.45
- ^ cf. フィッシュマン (2011)、ウォン (2012)、ハーモン (2013) etc.
- ^ a b c d Fossil Hominid Sites of South Africa - Multiple Locations
- ^ a b c 地球の歩き方編集室 (2012) 『地球の歩き方 南アフリカ 2012-2013年版』ダイヤモンド・ビッグ社発行、ダイヤモンド社発売、p.219
- ^ a b 河合 (2010) p.108
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.54
- ^ 河合 (2010) pp.107-108
- ^ 河合 (2010) pp.125-127
- ^ a b 河合 (2010) pp.130-134
- ^ 河合 (2009) pp.30-31
- ^ a b ICOMOS (1999) p.97
- ^ a b 河合 (2010) p.114
- ^ 河合 (2010) pp.114-115
- ^ 河合 (2010) p.115
- ^ 諏訪 (2006) p.48
- ^ a b 河合 (2010) pp.123-124
- ^ 河合 (2010) pp.115-116
- ^ a b 河合 (2010) pp.120-121
- ^ 河合 (2010) pp.124-125
- ^ a b 河合 (2009) pp.58-59
- ^ 河合 (2010) p.119
- ^ a b 河合 (2010) pp.109-110
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) pp.67-68
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.68
- ^ 高井 (2002) p.33、諏訪 (2002) p.827、諏訪 (2006) pp.44-45
- ^ 河合 (2010) p.110
- ^ 諏訪 (2002) p.816
- ^ ICOMOS (1999) pp.97-98
- ^ 諏訪 (2006) p.45
- ^ 河合 (2010) p.118
- ^ 河合 (2010) pp.118-119
- ^ ウォン (2012) p.74
- ^ ICOMOS (1999) p.98
- ^ a b ウォン (2012) p.76
- ^ ウォン (1998) pp.74, 76
- ^ 河合 (2010) p.102
- ^ a b 河合 (2010) p.101
- ^ p.103
- ^ ex. コパン (2002) p.11, 諏訪 (2006) p.26、河合 (2009) pp.226-227 etc.
- ^ 河合 (2010) pp.105-106
- ^ ハーモン (2013) p.98 (日本語版監修者の諏訪元による解説コラム)
- ^ a b ICOMOS (2005) pp.43-44
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.74
- ^ a b 河合 (2010) p.117
- ^ ジョハンソン&エディ (1986) p.75-77
- ^ 河合 (2009) p.130
- ^ ジョハンソン &エディ (1986) pp.77-78
- ^ 諏訪 (2006) p.39
- ^ 河合 (2010) pp.117-118
- ^ 河合 (2010) p.99
- ^ 河合 (2010) pp.99-100
- ^ 河合 (2010) p.100
- ^ 三井 (2005) p.261
- ^ 三井 (2005) pp.261-262
- ^ South Africa - World Heritage Centre
- ^ ICOMOS (1999) p.96
- ^ ICOMOS (1999) p.100
- ^ ICOMOS (2005) p.47
- ^ a b UNESCO World Heritage Centre - Decision - 29COM 8B.25
- ^ 日本ユネスコ協会連盟 (2013) 『世界遺産年報2013』朝日新聞出版、p.33。同様の表記は『世界遺産年報2005』以降。
- ^ 『世界遺産年報2001』p.31
- ^ 『世界遺産年報2002』、p.64
- ^ 『世界遺産年報2003』、p.62
- ^ 『世界遺産年報2004』、p.62
- ^ 古田陽久 古田真美 (2011) 『世界遺産事典 - 2012改訂版』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.19
- ^ 『新訂版 世界遺産なるほど地図帳』講談社、2012年、p.142
- ^ 谷治正孝監修 (2013) 『なるほど知図帳・世界2013』昭文社、p.158
- ^ 世界遺産アカデミー監修 (2012) 『すべてがわかる世界遺産大事典・上』マイナビ、p.318
- ^ 世界遺産アカデミー (2006) 『世界遺産学検定公式テキストブック (3) 』講談社、p.293
- ^ 『地球の歩き方MOOK 見て読んで旅する世界遺産』ダイヤモンド・ビッグ社発行、ダイヤモンド社発売、2002年、p.155
- ^ 青柳正規監修 (2003) 『ビジュアルワイド世界遺産』小学館、p.420
- ^ 『ブリタニカ国際大百科事典・小項目電子辞書版』ブリタニカ・ジャパン、2011年
- ^ 『21世紀世界遺産の旅』小学館、2007年、p.310
- ^ 日本ユネスコ協会連盟監修 (2013) 『世界遺産年報2014』朝日新聞出版、p.30
- ^ 成美堂出版編集部 (2013) 『ぜんぶわかる世界遺産・上』成美堂出版、p.287
- ^ 古田陽久 古田真美 (2013) 『世界遺産データ・ブック - 2014年版』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.63
- ^ 世界遺産アカデミー (2013) 『くわしく学ぶ世界遺産300』マイナビ、p.14
- ^ ICOMOS (1999) pp.97, 100
- ^ Fossil Hominid Sites of South Africa - UNESCO World Heritage Centre
- 1 南アフリカの人類化石遺跡群とは
- 2 南アフリカの人類化石遺跡群の概要
- 3 登録経緯
- 4 脚注
- 南アフリカの人類化石遺跡群のページへのリンク