五説経とその他の演目とは? わかりやすく解説

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五説経とその他の演目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 10:08 UTC 版)

説経節」の記事における「五説経とその他の演目」の解説

説経節代表作5作を総称して五説経」という呼び方は既に寛文年間1661年-1673年)にみられるが、当時具体的に何を指していたかは不明である。 東京堂出版藝能辞典』(1953年刊)「説経節」の項(執筆担当:郡司正勝)には、古くは『苅萱』『俊徳丸しんとく丸)』『小栗判官』『山椒大夫』『梵天国』を称したが、享保のころになると『苅萱』『山椒大夫』『愛護若』『信田妻葛の葉)』『梅若』を称するようになった説明されている。また、国文学者小説家水谷不倒の説によれば、『苅萱』『山椒大夫』『小栗判官』『俊徳丸』『法蔵比丘阿弥陀本地)』の5種が「五説経」である。 説経操り衰退した安永3年1774年)序の「浄瑠璃通鑑」(『済生五部雑録所収)には「其五説教とは信田妻隅田川愛護、津志王、石塔丸なり」と記録されており(『隅田川』は『梅若』、『津志王』は『山椒大夫』、『石塔丸』は『苅萱』をそれぞれさしている)、いずれにしても、「五説経」は、時代によって多少異同をともなう呼称であった。 他の演目としては、『五翠殿熊野御本地)』『松浦長者』『釈迦御本地』『熊谷先陣問答』『越前国永平寺開山記』『尾州成海 笠寺観音本地』『大福弁財天御本地』『目蓮記』『百合若大臣』『王昭君』『兵庫築島』『石山記』『鎌田兵衛正清』『志田小太郎』『阿弥陀胸割』『崙山上人之由来』『毘沙門本地』『天智天皇』『伍太刀菩薩』『弘知上人』『小敦盛』『中将姫御本地』(以上、横山重説経正本集』収載)、また、日蓮尊者』『伏見常磐』『善光寺開帳』『曇鸞記』『吹上秀衡入』などがある。これらのうち、『熊野権現記ごすいでん熊野御本地)』や『目蓮記』『梵天国』などは、古体のこしていると考えられるが、『愛護若』『松浦長者』は少なくとも正本のうえからは「説経浄瑠璃」の名がふさわしい作品となっている。また、伏見常磐』『志田小太郎』『百合若大臣』『兵庫築島』などは元は曲舞取材していると思われる前掲謡曲自然居士』『逢坂物狂』には人身売買の話が出てきたが、説経節の『山椒大夫』『小栗判官』『松浦長者』『梅若』などでも人買い重要なモチーフとなっている。『松浦長者』のさよ姫は、父の十三年の孝養のために我が身人買いに売る設定となっており、『自然居士』の筋ときわめて高い相似性をもつことが注目される説経浄瑠璃は、仏の徳をたたえるものが多く古浄瑠璃竹本義太夫以前浄瑠璃)から影響を受けたものもあるが、逆に摂州合邦辻』など説経節から浄瑠璃素材あたえたという例も少なくない内容は、本地縁起物についての語り加え劇的効果ねらって継子(ままこ)いじめ、お家騒動などの背景添えたものが多い。

※この「五説経とその他の演目」の解説は、「説経節」の解説の一部です。
「五説経とその他の演目」を含む「説経節」の記事については、「説経節」の概要を参照ください。

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