二見線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:58 UTC 版)
1897年(明治30年)6月に電気供給事業が開業した後、宮川電気は同年9月24日付で軌道条例に基づく最初の軌道敷設特許を取得した。区間は宇治山田市岩淵町(山田地区)から二見町大字江村までの4.75マイル(7.64キロメートル)である。この段階では宇治山田市内に鉄道路線はなく、津方面から伸びる参宮鉄道(JR紀勢本線・参宮線の前身にあたる)は宮川西側の宮川駅止まりであった。参宮鉄道の延伸により、外宮近くに山田駅(現・伊勢市駅)が開設されたのは同年11月のことである。 特許取得から5年経った1902年(明治35年)12月工事に着手。翌1903年(明治36年)6月に工事落成ののち、同年8月5日、宮川電気は軌道事業を開業した。三重県の資料によると、順に山田・川崎・黒瀬・溝口・山田野原・二見という「待合所」が置かれた。年内の乗客数は計6万6279人であった(貨物営業はせず)。路線の終点付近に位置する二見浦は海水浴場設置・賓日館建設・二見興玉神社分祀など開発が進みつつあったが、山田二見間の電車開通や1911年(明治44年)の参宮線二見浦駅設置など交通機関整備を機に旅館街として発展していくことになる。 山田駅前では、1900年4月に駅と外宮を直線的に結ぶ幅員10間(18.18メートル)の駅前道路が完成した。宮川電気では、1903年5月に山田駅前への軌道延長を出願、同年12月12日付で山田駅前まで0.21マイル(0.34キロメートル)の軌道敷設特許を得て、2年後の1905年(明治38年)8月4日、当該区間を延伸した。 後年の区分では、山田駅前 - 本町間の外宮前経由別線(後述)分岐点から二見までの区間を「二見線」といった。この区間の停留場には、山田駅前側から本町・市役所裏・会社前・郡役所前・箕曲横町・錦水橋・前田・河崎・二軒茶屋・黒瀬・通・汐合・御塩殿道・三津・二見があった。なお1909年10月本町 - 前田間に外宮前経由の別線が開業すると同線が下り線(前田方面行き)、既設線が上り線(山田駅前方面行き)と使い分けられたため、上記停留場のうち本町 - 錦水橋間は山田駅前方面行きのみ停車した。
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