事故に至る経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 07:48 UTC 版)
「ヒントン列車衝突事故」の記事における「事故に至る経緯」の解説
エドソンを現地時間6時40分に発車した第413貨物列車は、途中駅で東行きの通過列車を2本待避したのち、8時20分にハーグウェン (en:Hargwen, Alberta) の信号場へ差し掛かった。路線はここから先デールハースト (en:Dalehurst, Alberta) の信号場まで、2本の線路が経路の南北に分かれた別線方式による複線区間となっており、第413貨物列車は北回りのルートへ入線した。一方、同時刻に第4旅客列車はヒントンを約5分遅れで発車し、デールハースト信号場へ向かって走行中であった。 8時29分にデールハースト信号場における分岐器は南回りのルートへ開通、第4旅客列車を先に通し、北回りのルートを走行する第413貨物列車を列車交換のため停止させる設定がなされた。北回りのルートにおけるデールハースト手前4.15 kmに設置された信号機は「次の信号で停止」を意味する赤と黄色の2色が現示された。 ところが、第413貨物列車が同信号機を通過した際の速度は時速59マイル (95 km/h) に達しており、減速していないことはおろか同区間における最高運転速度50マイル (80 km/h) をも大きく超過していた。デールハースト手前149 mに設置された信号機は停止現示であったものの、第413貨物列車は信号を無視して分岐器を割り出し単線区間へ進入、8時40分、第413貨物列車がデールハースト信号場を通過して間もなく、第4旅客列車と第413貨物列車は正面衝突した。 衝突直後、双方の機関車より漏出した燃料から出火し、双方の牽引機関車、および第4旅客列車の3・4両目の荷物車・座席客車に引火、炎上した。また、衝突時の衝撃によって空中へ投げ出された第413貨物列車の貨車が第4旅客列車5両目のドームカーを直撃、二階部分に乗車していた旅客が犠牲となった。第4旅客列車の6両目以降の車両からも多くの負傷者が出たが、最後部12 - 14両目は脱線を免れた。 第413貨物列車は牽引機関車が大破・全焼したほか、先頭から76両目までの貨車が被災し、前述の通り衝突時の衝撃によって空中に投げ出された車両もあり、破砕大破した貨車群と積載物が重なり合ってうず高い山のような様相を呈する惨状となった。 この事故によって、双方の列車の機関士・機関助士計4名と第4旅客列車の乗客19名の計23名が死亡、乗客乗員71名が重軽傷を負った。乗客の犠牲者は大半が4両目の座席客車に乗車した旅客であり、同車両に乗車していた36名中18名が犠牲となった。
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