乗車定員の確保・増強
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 03:08 UTC 版)
1両あたりの座席数を増やし、乗車定員を確保・増強を行う観点で製造されたのは、1962年に修学旅行用電車として製造された近鉄20100系電車が最初であった。東日本旅客鉄道(JR東日本)においては、1989年(平成元年)に投入された211系電車のサロ213・212形と113系電車のサロ125・124形が最初であった。その後に同様の理由でJR東日本から製造された2階建車両は、製造費が嵩むのを極力防ぐためにE231系電車以降の車両では共通設計で製造された。 1991年(平成3年)に試験的に製造されたクハ415-1901で普通車に拡大、翌1992年(平成4年)には両先頭車を除く全車両を2階建構造とした215系電車が製造された。「両先頭車以外の全車両が2階建」という特殊性から臨時列車を中心に、前述の「眺望を楽しむ目的」も合わせて持つ運用にも投入された。 1994年(平成6年)には総武快速線・横須賀線のE217系電車もグリーン車の2階建車両となった。 2004年(平成16年)度から、東海道本線東京口、宇都宮線(東北本線)、高崎線、湘南新宿ラインに導入されたE231系電車でも、サロE231・E230形を製造して普通列車と快速列車で運用されている。また、サロ125・124形が211系への編入改造が施工されて運用されている。 2006年(平成18年)度より、常磐線のE531系電車にも、グリーン車としてサロE530・E531形が製造された。 新幹線では、JR東日本の「Max」シリーズ(E1系電車・E4系電車)がオール2階建てで製造された。しかし速度の遅さなどから2021年10月1日に定期運行を終了した。 寝台列車では、JRでも「サンライズ出雲・瀬戸(285系電車)」と「カシオペア(E26系客車)」に2階建車両が運用されている。 通勤電車では、215系が作られたものの乗降時間の問題等もあり普及しなかった。通勤電車での2階建ては、JR東日本の中距離電車に連結されるグリーン車や京阪電鉄の一部車両程度に限られている。2016年東京都知事選挙に立候補した小池百合子が公約の一つとして、2階建て車両の導入をして満員電車ゼロを掲げたが、東京都知事に就任以降、2018年までに具体的な動きはない。 新幹線100系電車の2階建車両8号車168-2(前)と9号車149-2(後) JR東日本東京地区近郊電車の2階建グリーン車(サロ124形) 『義経』ラッピングの京阪8000系 近鉄30000系電車(車体更新後)の2階建車両 近鉄50000系電車の2階建車両
※この「乗車定員の確保・増強」の解説は、「2階建車両」の解説の一部です。
「乗車定員の確保・増強」を含む「2階建車両」の記事については、「2階建車両」の概要を参照ください。
- 乗車定員の確保増強のページへのリンク