中間宿主の研究とは? わかりやすく解説

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中間宿主の研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)

地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「中間宿主の研究」の解説

感染皮膚からであることが明らかになった。しかし、土屋別の新たな疑問悩んでいた。それは人間動物など終宿主糞便から出た日本住血吸虫の卵は孵化した後、水中どのように発育して幼虫となって人間動物皮膚に再び潜り込んで行くのかという謎であった土屋は便中の日本住血吸虫卵から孵化させた仔虫ミラシジウム呼ばれる)を泳がせに、ネコネズミの足を30分ほど浸して感染するのか経過見たが、10日過ぎて1か月過ぎてネコネズミ様子変化無く糞便中にも卵は見られなかった。孵化直後ミラシジウムには感染能力がないのかもしれない考え次に孵化6時間後のミラシジウム浸してみたが今度感染は起こらなかった。それどころ孵化時間経過するごとにミラシジウム死んでいき、48時間以内には全て死滅していた。流れのある水中太陽光のある屋外での検証孵化後の経過時間細かくずらすなど、さまざまな実験繰り返した結果は同じであったこのように卵から孵化した直後仔虫ミラシジウムそのままでは哺乳動物感染せず、2日以内死滅することが判明した考え抜いた土屋は、「ミラシジウム自然界にいる動植物何らか中間宿主としている。中間宿主体内人間の体へ感染するのに適した体へ成長するのだ」との結論達する。 山梨県医師会会長喜多島豊三郎により1909年明治42年)に設立され山梨地方病研究部専任技師になっていた土屋は、1911年明治44年3月任期終え東京帝国大学教授として迎えられ後任者として東京帝国大学伝染病研究所から宮川米次就任した宮川土屋の提唱した中間宿主必要性真っ先賛同した人物でもあり、桂田藤浪三神らも中間宿主存在同調していた。 地方病研究部専任技師となった宮川は早速新たな検証実験着手する実験の目的哺乳動物感染した直後日本住血吸虫幼虫幼生)の形態どのようなのであるのかを把握することだった。有病地の一つ中巨摩郡池田村(現:甲府市新田町)を流れ貢川(くがわ、地図)を実験地に選び、非流行地である東京から大量ウサギイヌ運んできて実験河川浸した後日実験動物の股静脈から採血した血液中にミラシジウムとは形態的異な幼虫宮川確認した。それは吸虫類において成虫になる1つ前の段階寄生虫学用語でセルカリア呼ばれているものだった。 この検証により、便中の卵から孵化した段階幼生ミラシジウム)と皮膚から感染する段階幼生セルカリア)とでは、形態形状異なることが判明し日本住血吸虫成虫に至る過程には中間宿主が必要であることが確定した

※この「中間宿主の研究」の解説は、「地方病 (日本住血吸虫症)」の解説の一部です。
「中間宿主の研究」を含む「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事については、「地方病 (日本住血吸虫症)」の概要を参照ください。

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