世界各国の奴隷制に関する調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:40 UTC 版)
「ヴィクトル・シュルシェール」の記事における「世界各国の奴隷制に関する調査」の解説
1830年に帰国したシュルシェールは、以後、世界各国で奴隷制に関する調査を行った。まず欧州諸国(英国、アイルランド、オランダ、ドイツ、スペイン、イタリア)を視察し、さらに再び中南米を訪れ、カリブ海諸島(特にグアドループ、マルティニーク、ジャマイカ、アンティグア、ドミニカ、ハイチ、アンティル、プエルトリコ、デンマーク植民地)における奴隷制の現状および英国植民地における1838年の奴隷解放後の状況を調査し、調査結果を著書『奴隷制廃止 ― アフリカ人および混血の肌の色に対する偏見の批判的検証』(1840年)、『フランス植民地 ― 奴隷制即時廃止』(1842年)、『他国の植民地およびハイチ ― 英国による奴隷解放の結果』(1843年)、『労働者による奴隷制即時廃止の請願書』(1844年) で報告した。 次にイスラム諸国における奴隷について調査するために東部地中海沿岸地方に向かい、トルコとエジプトに滞在した後、ギリシャを訪れた。この結果は主に『1845年のエジプト』で報告した。 この後、同じく奴隷制と捕虜の状態を調査するためにサブサハラ・アフリカ地域に向かい、1847年9月から1848年1月にかけてセネガルとガンビアに滞在した。この間、1847年に『奴隷制に関する過去2年間の出来事』を著した。 こうした調査のかたわら、芸術評論家(特に音楽、美術)であった彼は、世界各国から多くの美術工芸品や民族誌学・考古学の資料を多数持ち帰り、晩年に、国立図書館、パリ国立高等音楽院、国立高等美術学校(エコール・デ・ボザール)、トロカデロ民族誌博物館(フランス語版)、国立考古学博物館(フランス語版)、国立中世美術館およびグアドループ、マルティニーク、フランス領ギアナの関連施設に寄贈した。
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