三曲合奏の音楽的特徴とは? わかりやすく解説

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三曲合奏の音楽的特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 22:23 UTC 版)

三曲合奏」の記事における「三曲合奏の音楽的特徴」の解説

三曲合奏人体なぞらえて三味線は骨、箏は肉、胡弓尺八は皮にたとえられることがある通常胡弓尺八持続音楽器として同じ働きをするので互換性強く三味線、箏、胡弓か、三味線、箏、尺八編成が普通である。ただし、一般的ではないが箏、胡弓尺八と言った組み合わせも可能である。楽器間の関係は、曲によってほとんどユニゾンのものもあれば(歌がある場合その方良いことも多い)、器楽的要素が強い曲では各楽器複雑にからみ合うよう作られているものが多い(特に三味線と箏)。これはきわめて精緻作られ合奏音楽と言え雅楽管絃ガムランなどと共に西洋音楽ポリフォニー(多音性)とは異なヘテロフォニー異音性)の端的な例として挙げることができる。また例え地歌のある曲でも、流派によって違う箏の手胡弓の手尺八の手つけられていることが多く、それもユニゾンに近いものから多音的なものまで、流派によっても傾向異なっている。西洋音楽言えば弦楽四重奏の各パート緊密な重層的構造成していて、絶対的に固定されパートでも欠かせないのと違い三曲合奏は本来独奏曲に後から他のパート付けたものであり、どちらかと言えば流動的並列的装飾的であって、その編成にはバロック音楽のように自由さがあり、三という数にこだわらず、たとえば三味線尺八だけ、箏と胡弓だけ、三味線と箏、あるいは三味線本手替手だけといった編成での演奏行なわれるし、独奏四種楽器での合奏すら可能である(ただしそれらのような場合三曲合奏とは言わない)。あるいは三曲合奏中に箏、または三味線替手や地を加えたり(つまり4パート上の編成)することも珍しくないそれぞれの編成面白みがあり、また流派によって後で付けられパート旋律違っていたりするので、同一曲でも様々な編成演奏を楽しむことができる。このような融通性特徴と言える。ただ、幕末になるほど、特に光崎、幾山、吉沢の各検校らの作品多くは2~3パート一人作られており、各パート間の関連緊密になる傾向がある。さらに下って宮城道雄作品においては、各パートは完全に固定され西洋音楽ポリフォニー概念導入されている。こうして、三曲合奏日本の伝統音楽中でも合奏音楽として重要な位置占めており、明治以降西洋音楽にももっとも早くから対応することにもなった。このように三曲合奏が多音的な展開を見せたのも、地歌の手事もの、箏曲段もの胡弓本曲など器楽的な発展著しかったからであろう。ただしあくまでも声楽基本とする山田流箏曲では、基本的にほとんどすべてユニゾン三曲合奏が行なわれる

※この「三曲合奏の音楽的特徴」の解説は、「三曲合奏」の解説の一部です。
「三曲合奏の音楽的特徴」を含む「三曲合奏」の記事については、「三曲合奏」の概要を参照ください。

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