三曲における胡弓とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 三曲における胡弓の意味・解説 

三曲(胡弓楽・地歌・箏曲)における胡弓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 15:37 UTC 版)

胡弓」の記事における「三曲胡弓楽・地歌・箏曲)における胡弓」の解説

江戸時代中期には盲人音楽家たちにより芸術音楽化が進み胡弓独自の流派立てられ胡弓専門音楽つくられた。これを後世胡弓楽」と呼ぶ。これに、同じく盲人音楽家たちの専門である地歌・箏曲合わせて三曲と呼ぶ。胡弓専用の曲のほか、これら地歌曲多く箏曲一部胡弓合奏することも盛んになり、ことに三曲楽器すべてを合奏することを三曲合奏といい、盛んに行なわれた。こうして独奏楽器として、また三味線胡弓合奏、箏・胡弓合奏三曲合奏の1パートとして胡弓楽のジャンル広がり発展することになる。ただし、特に江戸時代後半となると胡弓楽と地歌箏曲交流著しくほとんど一体化してしまっているので、胡弓楽という言葉はあまり使われない。また明治時代になると、三曲合奏胡弓代わりに尺八用いることが多くなり、胡弓演奏減少したが、多く地歌・箏曲伝承流派は現在も胡弓の曲を伝承している。ただし胡弓楽は地歌箏曲とは半ば独立した伝承系統持っていることもあり、流派としては、地歌箏曲生田流対応するものは流派名乗っていないが大きく分けて大阪系、京都系、九州系、名古屋系があり、山田流箏曲対応するものとして藤植流松翁流がある。ほかに、大阪政島検校(18世紀中頃)の創始による政島流があり、幕末伝承絶えてしまったが、現在の大阪系と関係があると思われる。また19世紀初頭京都活躍した名手腕崎検校流れである腕崎流が存在したとも言われ現在の京都系もそう名乗っているが、確かなことは分かっていない。その他品川検校による品川流があったとも伝えられるが、これについてはまったわかっていない。名古屋系はもっともよく胡弓伝承守っており、吉沢派、寺島派に分けられる吉沢派は幕末活躍した吉沢検校流れである。地歌曲箏曲胡弓合奏させる場合多くはほとんどユニゾン目立ち過ぎぬように合わせるが、吉沢胡弓に独自の旋律与え、非常に技巧的作曲編曲をしており、作品のひとつ「千鳥の曲」は胡弓本曲として、また箏の曲として名高いまた、たとえば箏曲六段の調」に、吉沢の手付による胡弓パート合奏される場合特別に長崎六段」と呼ばれるほど独自で技巧的手付になっている大阪系でも明治以降原琴治などが独自の手付を残している。 地歌・箏曲とともに発展し当道座盲人音楽家によって伝承されてきた胡弓音楽胡弓楽と呼ぶ。胡弓楽としてみた場合その音楽は「本曲」と「外曲」に分けられる本曲本手組とも呼ばれ胡弓本来のために作られた曲であり、各流派がほぼ独自の本曲持っている(一部本曲のない流派もある)。曲によっては『鶴の巣籠』のように尺八楽との交流によって生まれたものもあるし、先の千鳥の曲』のように箏との二重奏曲性格の強いものもある。このほか、有名な胡弓本曲に『の曲 (名古屋系吉沢検校作曲)』、『岡安砧』 (藤植流作曲者不詳) などがある。特に藤植流には多く本曲伝えられており、また幕末断絶してしまった政島流には更に多く本曲があった。外曲箏曲地歌曲指しきわめて多くの曲がある。ただし胡弓演奏家はほとんどが地歌箏曲演奏家でもあるので、本曲でも伴奏として箏や三味線入ったり、また地歌箏曲取り入れられたりしている曲もあり、このような分け方尺八ほど厳密ではない。また宮城道雄以降、今に至るまで胡弓のための新作曲も多くはないながら作られている。

※この「三曲(胡弓楽・地歌・箏曲)における胡弓」の解説は、「胡弓」の解説の一部です。
「三曲(胡弓楽・地歌・箏曲)における胡弓」を含む「胡弓」の記事については、「胡弓」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「三曲における胡弓」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

三曲における胡弓のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三曲における胡弓のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの胡弓 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS