一般的な条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 07:22 UTC 版)
「イスラム教における斎戒」の記事における「一般的な条件」の解説
斎戒の期間を通して、イスラム教徒はそれ以外の時期にクルアーンが許可している特定行為、すなわち飲食と性交、を控えることになっている。これは、クルアーンないしシャリーア法の下で不許可とされること(陰口や猥談、議論や闘争、欲情的思想)を避けるというイスラム教徒達から認知済みの標準的義務に加えて行なわれる。この標準的な義務を守らなければサウムは意味をなさず、単なる飢餓行為と見なされる。斎戒は、仲間の生き物にもっと慈悲深くなる動機となるべきものである。この月に行なう貧窮者への慈善的拠出が、最も報いのある賛美行為の一つとされている。 斎戒は、以下5つの条件を満たす人に義務付けられている。 イスラム教徒であること。 責任を果たせること(思春期を終えたイスラム教徒)。 斎戒する能力があること。 定住している(放浪中でない)こと。 病気、怪我による極度の痛み、母乳育児、妊娠といった斎戒の妨げがないこと。 病気、看護、放浪している場合、その人は斎戒から免除だと見なされる。病気、看護、放浪のために中断したり出来なくなった斎戒は、次のラマダーン月の前までに実行可能な時いつでも実施する必要がある。クルアーンによれば、どんな場合であれ斎戒せずに済むのは当該行為が本人の健康にとってリスクとなりうる場合で、例えば病人や高齢者や旅路にある者、女性だと月経中や妊娠中や看護している人にのみ許可される。ただし、これはフィディア(斎戒を中断したり出来ない場合に納める寄進)を日々払うことで補われる必要がある。 イスラム教の学者は、月経中の女性に対して斎戒の順守は禁止だと主張している。ただし、月経期が終わったら入浴して斎戒を続けなければならないという。月経によって中断したり出来なかった斎戒は、次のラマダーン月になる前に自分ができる時いつでも実施する必要がある。クルアーンは全ての宗教的義務が男女どちらにも課せられたと指定しているので、女性は月経でない時に斎戒する必要がある。これはクルアーンが月経を「不浄」と述べているのが原因である(クルアーン2:222)。米国のイスラム教広報担当 によれば、この禁止の理由は月経に伴う痛みのためだという。イスラム教徒の女性がこの時期にジクル(アッラーを想起すること)やドゥア(アッラーへの嘆願)をするのは構わないとされる。
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