ヴェルレーヌとベルギー、ロンドン放浪とは? わかりやすく解説

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ヴェルレーヌとベルギー、ロンドン放浪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 21:11 UTC 版)

アルチュール・ランボー」の記事における「ヴェルレーヌとベルギー、ロンドン放浪」の解説

グループから追放されランボーは一旦帰郷したが、まもなくパリ戻りヴェルレーヌとともにベルギーロンドン放浪した情熱的波乱満ちた関係の始まりであったブリュッセルでは「さくらんぼの実る頃」を作詞したジャン・バティスト・クレマン(フランス語版)や劇作家ジョルジュ・カヴァリエ(フランス語版)などパリ・コミューン亡命者に度々会っている。これはロンドンでも同様で、同地亡命したコミュナールのウジェーヌ・ヴェルメルシュ(フランス語版)、ジュール・アンドリュー(フランス語版)、カミーユ・バレール(フランス語版)、『1871年コミューン史』(1876年刊行) を著したプロスペル=オリヴィエ・リサガレー(フランス語版)らに会っており、二人がいかに熱心に革命支持していたかがわかる。 だが、マラルメに「途轍もない通行者」と称されランボー違ってヴェルレーヌパリに妻マチルドと息ジョルジュ置き去りにしていた。1872年7月21日ヴェルレーヌからの手紙で彼がブリュッセルにいることを知ったマチルド母親とともに同地向かった。彼を連れ戻すためであった。彼は二人懇願に応じていったんは列車乗ったものの、国境キエヴラン駅通関手続きのために全乗客下車した際に姿を消してしまった。これがマチルドとの最後別れとなった二人は2か月わたってベルギー放浪した後、9月7日ロンドン向かったヴェルレーヌ旧友で後に日本文化紹介した画家フェリックス・レガメ当時ロンドン滞在していた。彼もまたコミュナール亡命であったが、このとき、ロンドンの街をさまよい歩く二人描いた素描を数残している。たまにフランス語家庭教師をする程度定職のない二人は、ヴェルレーヌ母親からの送金頼っていた。このような生活を描いた詩が「飢餓祭り」である。 1872年12月末にランボー母親忠告に従って、一旦シャルルヴィル戻ったロンドン一人残ったヴェルレーヌ孤独に苛まれ書いた詩が、堀口大學訳「巷にの降るごとく、わが心にも涙降る」で知られる詩である。翌1873年1月に、ヴェルレーヌ母親手紙書き病気のため会い来てほしい、またランボーにも旅費送って会いに来るよう伝えてほしいと要求した。こうして再び二人放浪生活始まった二人ロンドン市街地だけでなく、郊外田舎ホワイトチャペルイーストエンド地区のような貧民街くまなく歩き回り、詩に表現した散文詩集『イリュミナシオン所収「都市」と煙に覆われた「.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}生(なま)の近代都市ロンドン描いた詩である。 二人幾度となく仲違い和解繰り返したが、ヴェルレーヌにとっては『言葉なき恋歌』(1874年刊行)、ランボーにとっては『地獄の季節』(1873年刊行)、『イリュミナシオン』(1886年一部刊行没後1895年全編刊行)の制作につながる実りの多い経験であった。だが、二人の生活は結局うまくいかなかった。酒浸り日々取っ組み合い喧嘩数々修羅場潜り抜けた二人は、ついに互いに傷つけ合うだけの関係になる。1873年4月11日ランボー一人、母、兄フレデリック、妹ヴィタリーイザベルがいる故郷ロッシュ農場戻った。このとき、彼は長い放浪生活消耗しきったうえに精神的な危機に陥っていた。友人のエルネスト・ドラエー宛に書いた手紙には『異教徒の書』または『ニグロの書』を書いている「私の運命はこの書にかかっている」とある。同年に『地獄の季節』として出版されることになる詩集である。

※この「ヴェルレーヌとベルギー、ロンドン放浪」の解説は、「アルチュール・ランボー」の解説の一部です。
「ヴェルレーヌとベルギー、ロンドン放浪」を含む「アルチュール・ランボー」の記事については、「アルチュール・ランボー」の概要を参照ください。

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