ロー・ポジション[low position]
ローアングル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 02:51 UTC 版)
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ローアングル(英語:low-angle shot)は、低い視点から仰角気味に撮影するカメラの撮影技法[1]。高所からの視点(俯瞰[1])に比べ撮影対象の人物が良く浮き上がる手法でもある。煽り構図ともいわれる。
ローアングルの映画と言えば小津安二郎の監督作品が有名だが、小津ほどの徹底性はないにせよ、加藤泰もまたローアングルを作風の特徴としている。
特に、小津らの手法は地面すれすれにカメラを設置して撮影を行い、日本国内にとどまらず世界の映画監督に影響を与えたとも言われている。
問題点
主に女性モデルを被写体とした撮影では、一部のカメラ小僧によるローアングルを用いたパンチラの盗撮が問題視されている。モデルがミニスカートやショートパンツなど脚部の丈が短い衣服を着用している場合に発生しやすいため、撮影会やイベントではローアングルでの撮影を禁止するケースがある。パンチラを狙ってローアングルでの撮影を好む悪質なカメラ小僧に対してはローアングラーという蔑称がある。どのような撮影会であっても、「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」に該当するような撮影行為は迷惑防止条例違反に当たるため、ローアングラーが行っていることはれっきとした犯罪である。実際に、イベントで女性コスプレイヤーのスカート内を撮影し、女性の近くに居た交際相手に現行犯逮捕された実例もある[2]。
ローアングルを用いた代表的な作品
脚注
- ^ a b 「怪獣アイテム豆辞典」『東宝編 日本特撮映画図鑑 BEST54』特別監修 川北紘一、成美堂出版〈SEIBIDO MOOK〉、1999年2月20日、152頁。ISBN 4-415-09405-8。
- ^ “コスプレイヤーのスカート内を盗撮した疑い 25歳の男を逮捕” (日本語). ライブドアニュース. 2022年3月29日閲覧。
関連項目
ロー・ポジション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:34 UTC 版)
小津のよく知られた映像手法として、カメラを低い位置に据えて撮影する「ロー・ポジション」が挙げられる。ロー・ポジションの意味については、「畳に座ったときの目の高さ」「子供から見た視線」「客席から舞台を見上げる視点」など諸説ある。小津自身は日本間の構図に安定感を求めた結果、ロー・ポジションを採用したと述べている。厚田雄春は、標準のカメラ位置で日本間を撮影すると、畳のへりが目について映像が締まりにくくなるため、それが目立たないようロー・ポジションを用いたと述べている。小津が初めてカメラ位置を低くしたのは『肉体美』(1928年)で、その理由はセット撮影で床の上が電気コードだらけになり、いちいち片付けたり、映らないようにしたりする手間を省こうとしたためで、床が映らないようカメラ位置を低くするとその構図に手応えを感じ、それからはカメラの位置が段々低くなったという。ロー・ポジションで撮影するときは、「お釜の蓋」と名付けた特製の低い三脚を使用し、柱や障子などの縦の直線が歪むのを避けるために50ミリレンズを使用した。 小津が「ロー・アングルを使用した」と言われることもあるが、ロー・アングルはカメラの位置ではなくアングルについて定義する言葉であり、その言葉の曖昧な使用がそのまま普及したものである。映画批評家のデヴィッド・ボードウェル(英語版)は、「小津のカメラが低く見えるのはそのアングルのためではなく、その位置のためである」と指摘している。ロー・アングルはカメラアングルを仰角にして、低い視点から見上げるようにして撮影することを意味するが、小津作品ではカメラアングルを数度だけ上に傾けることはあっても、ほとんど水平を保っている。また、カメラ位置は特定の高さに固定したわけではなく、撮影対象に合わせて高さを変え、その高さに関わらず水平のアングルに構えた。例えば、日本間ではちゃぶ台の少し上の高さにカメラを置いたが、テーブルや事務机のシーンではカメラをその高さに上げている。ボードウェルは「小津のカメラ位置は絶対的なものではなく相対的なものであり、常に撮影する対象よりも低いが、対象の高さとの関係で変化する」と指摘している。
※この「ロー・ポジション」の解説は、「小津安二郎」の解説の一部です。
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