ロールベールの取扱いと運搬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/18 00:30 UTC 版)
「ベーラー」の記事における「ロールベールの取扱いと運搬」の解説
酪農等の200頭以上の牛を飼う現代の大規模農業において、1トンかそれ以上のロールベールは検討に値する。しかしながら、ロールベールは斜面を転がったりするため、特別な運搬方法や荷役機械を必要とする。 日本において一般的なロールの取扱い方法はフロントローダーの先端に取り付けるベールグラブやベールハンドラであるが、海外でロールの取り扱いに最も重要なツールとされるものは、ベール用のスピアーかスパイクで、トラクタの3点リンクかスキッドステアローダの前部、小型トラックの荷台後部等にも取りつけられ、4輪バギーで牽引するスピアーも存在する。それらは、ロールベールのだいたい中央に突き刺し、持ち上げて別の場所に運搬する。目的地に着いたら、ロールは地面に置かれ、スピアーは引き抜かれる。スピアーを慎重に中央に突刺すことは、ロールが運搬中にくるりと回って地面に接触し、不意の事故が発生するのを防止するために重要である。 また、ロールを持ち上げて運搬するのに、グラップルフォークが使われることもある。グラップルフォークは、トラクタのフロントローダーに取り付ける油圧作業機である。油圧シリンダが伸びると手を閉じるようにフォークが下向きにつかむ。ロールベールを移動するために、トラクタは横からベールに接近してベールの下にバケットを置く。フォークはベールの上から挟み込むようにベールをつかみ、バケットを持ち上げて運搬する。 ブログの記事Hay Deliveryの中では、大小のロールベールを簡単に移動する方法を見ることが出来る。これは簡単な日曜大工で出来る、ローダーのバケットの改造法である。2個のフックをフロントローダーのバケット上面の両サイドに溶接し、チェーンを取り付ける。そして、オペレータがトラクタに乗ったままチェーンをベールの向こう側に回してバケットをすくい上げると、ベールを掴むことができ、それを運搬して積み重ねたり、家畜の餌場に置いたり出来る。この簡単なシステムの利点は、トラクタのフロントやリアに装着する高価な作業機を使用しないということである。これで小さな農家は、余分な作業機の経費を負担する事を回避でき、1つの機能のために別のトラクタを用意する必要が無い。少々練習することで、専用の油圧ベールグラブと同じ位素早く使うことが出来る。シュガー・マウンテン・ファーム(Sugar Mountain Farm)のウォルター・ジェフリーズ(Walter Jeffries)によって開発されたこの方法は、複雑なメンテナンスもなく、ベールスピアーやベールグラブよりも安全である。 ロールの平らな面を地面に置くと後でそれを(スピアーで)倒すのは難しいので、沢山のロールを長い距離運搬するのには大変である。(アオリの無い)平らな荷台のトラックでロールを運ぶのは、上り坂でロールが転がり落ちるかもしれないので難しい。これを防ぐために、平らな荷台のトレーラはロールが前や後ろに転がるのを防ぐため、両端に丸いガード・レールを備えている。この他の解決法はサドルワゴンで、ロールが落ちつくようロールの形に合せた台座を備えたり、ロールを支える支柱で荷台を区切ったものである。それぞれの台座(saddle)の高い側の面、または支柱の間にベールが収まることによって、積荷のベールが転がり落ちることを防ぐ。 ロールベールは給飼する場所に置くことによって、直接給飼することが出来る。ベールのラップを剥ぎ取り、周囲から保護されたリングの中に置くと、ペールの外周からほぐれた干し草を家畜に踏みつけられる事が無い。 ロールベーラーの成型と圧縮の過程は、ベールを逆に転がしてほぐすのを助けてくれる。トワインやネットを切断した上でロールを逆に転がしただけで、連続した平らな細長い列になるからだ。
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