ロールベールサイレージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/18 00:30 UTC 版)
最近採り入れられた牧草の格納方法は、高水分のままラッピングしたロールベールサイレージ(またはヘイレージ)である。これは普通のロールよりも、はるかに水分が高い状態で梱包されており、高い含水量の為に通常のロールよりも重量が重いため、乾草のロールよりも小さい径で梱包される場合がある。ロールベールサイレージはすぐに発酵し始め、このベールの中央に突刺した金属製のベールスピアーに触ると、発酵の熱によりとても熱くなっている。 専用のラップマシンを使用する場合は、半乾燥状態の干し草のベールを、トラクタの3点リンクに装着された、上部に一対のローラーが付いているターンテーブルの上に乗せ、ベールを転がすと同時に水平に回転させながら、僅かに粘着性のあるラップフィルムを何層かに渡って巻きつける。(外部リンクのYouTube動画参照) これによって、円柱状のベールの端面と側面が同時に密封される。一本のラップフィルムを巻きつける方式をシングルストレッチ、二本同時に巻き付ける方式をダブルストレッチと呼ぶ。近年ではベーラーとラップマシンが一体化してウインドローを拾い上げて梱包作業をしながら、同時進行で前の工程で完成している梱包のラッピング作業が出来るベーラ・ラッパが使われ始めた。 ロールベールサイレージは、トラクタのフロントローダーに取りつけられた油圧式のベールグラブ(bale glab)で移動したり、積み重ねられる。普通のベールスパイクで移動することも出来るが、密封されたラップに穴をあけてしまうので、その都度空気が浸入しないようテープで補修するか、すぐ給飼しなければならない。ロールベールサイレージは、通常リングフィーダー(ring feeder)等で家畜に給飼する度にひとつずつ開封される。 各ベールの高い気密性は、まるでそれがバッグサイロ(silo bag)の中にあるかのように梱包された飼料が発酵することを可能にする。しかもバッグサイロよりも取り扱いが簡単で、密封した梱包を個別に運搬することが出来る。対照的に、大きなバッグサイロは破れやすく、ローダー等の機械で簡単に損傷するバッグの中から、ばらのサイレージをすくい出さなければならない。 しかしながら、ラップフィルムを多量に使い、サイレージで汚れたラップフィルムは、燃料として焼却する以外には再利用したり再生する方法が全く無い。ベール1つ当りのラッピング費用はおよそ5ドルである。
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