ロイヤル・ダッチ・シェルの歴史
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「ロイヤル・ダッチ・シェル」の記事における「ロイヤル・ダッチ・シェルの歴史」の解説
アムステルダムにあるシェル・タワー(左)とロンドンにあるシェル・センター(右) 世界各地でアメリカのロックフェラー系のスタンダード・オイル(現 エクソンモービル)との競争が熾烈になったため、シェルとロイヤル・ダッチは石油の利権を確保するため業務提携し、1907年に事業提携して「ロイヤル・ダッチ/シェルグループ」を形成した。1911年にアゼルバイジャンの油田をロスチャイルドから購入した。世界恐慌のころからシュルンベルジェに油田探査を依頼し、青天井に原油生産量を増やした。 1960年代以降ナイジェリアでも操業し、政府系企業などと合弁でシェル・ナイジェリアとして活動している。この事業提携が事実上の単一企業と看做されて98年続いてきた。また、アルジェリアのイナメナスでも世界一のガス田ハッシ・ルメルをめぐり他社と開発を競争した。 2001年ごろから傘下の油田の埋蔵量を下方修正するなど財務上の問題が明らかになり、株主よりコーポレートガバナンス(企業統治)上の透明性向上の要求から単一法人化を求める圧力が急激に高まっていた。こうして、2005年5月、98年間続いた2社提携の状態に終止符が打たれ、両社は合併して単一の法人ロイヤル・ダッチ・シェルとなった。 ロイヤル・ダッチ・シェルは、2005年までオランダの事業親会社ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム (正式会社名 N.V. Koninklijke Nederlandsche Petroleum Maatschappij、英名 Royal Dutch Petroleum N.V.) 、イギリスの事業親会社シェル・トランスポート&トレーディング (The Shell Transport & Trading Company plc) の2つの法人が60:40の比率でアライアンスを組んだ状態(二元上場会社)が100年近く続いていた。一般には、「ロイヤル・ダッチ/シェル (蘭・英)」というような表示をされて、便宜的に単一の会社であるように理解されていたが、あくまでも2社の事業提携(アライアンス)であり、単一の事業法人ではなかった。報道紙面での呼称がそのように通例化されていたのはその現れであった。 2012年2月10日、近年国家戦略としてエネルギー資源の獲得に意欲を見せる中華人民共和国の中国石油天然気勘探開発公司(中国石油天然気集団の子会社)が、ロイヤル・ダッチ・シェルが保有する、カナダブリティッシュコロンビア州グラウンドバーチの権益の20%を買収し、同地域の天然ガス液化工場での共同プロジェクトに参画することとなった。 2015年、イギリスの同業大手BGグループの買収を発表、2016年2月に完了した。 2017年10月、電気自動車の充電サービスを提供するオランダのNewMotionを買収。 2021年11月15日、税務上の拠点をイギリスに移し社名をシェルに変更することを発表した。
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