ロイヤル・サブリン (戦艦・2代)とは - わかりやすく解説 Weblio辞書

ロイヤル・サブリン (戦艦・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/06/02 15:18 UTC 版)

ロイヤル・サブリン (HMS Royal Sovereign, 05) は、イギリス海軍の戦艦^[1]。日本語ではロイヤル・サヴリンと表記することもある^[2]^{[註釈 1]}。リヴェンジ級戦艦 (Revenge class battleship) の1隻だが^{[註釈 2]}、本艦をネームシップとしてロイヤル・サブリン級戦艦とする資料もある^[2]^[5]。通称R級戦艦^[6]^{[註釈 3]}。第二次世界大戦終盤にソビエト連邦に貸与され^[8]、ソ連海軍の戦艦アルハンゲリスク (Архангельск) となった^[9]^{[註釈 4]}。世界大戦終結後の1948年終盤、イタリアの戦艦ジュリオ・チェザーレ (Giulio Cesare) が戦利艦としてソ連に譲渡される^[11]。これにともない本艦は1949年2月にイギリスに返還され、解体された^[12]。愛称は『ロイヤル・ルーブル(Royal Rouble)』^[13]。

脚注

註釈

^ ロイヤル・ソブリンとも。イギリスにとって伝統的な艦名で、先代は近代戦艦の嚆矢となったロイヤル・サブリン級戦艦のロイヤル・サブリン（英語版）（前弩級戦艦）である^[3]。
^ R級戦艦の中で最初に竣工したのがリヴェンジ (HMS Revenge, 06) だった^[4]。
^ 戰艦“レゾルーション　Resolution”^[7]　全要目{排水量29,150噸　速力23節　備砲38糎砲8門　15糎砲12門　魚雷發射管2門(水中53糎)　起工1913年11月　竣工1916年12月　建造所パルマース造船會社｝　同型艦“ローヤルゾヴリン　Royal Sovereign”　レヴエンジ　Revenge”　“ローヤルオーク Royal Oak”　ラミリーズ　Ramillies”
これ等の戰艦は何れも1913年乃至14年に起工され1916年乃至17年に竣工した所謂Ｒ級戰艦といつたもので、世界大戰に参加して輝しい偉勲を樹てゝゐる。その後約6箇年は主力艦建造に一頓挫を來し1922年久振りに“ネルソン”を起工した。華府條約時代英國はこれら戰艦の近代化に大いに心を用ひ、そればかりやつてゐたといつてもよい。全長188.98米、幅31.21米、平均吃水8.14米。兵装として上記の外に10糎高角砲4門、3ポンド砲4門、その小砲16門を有す。搭載飛行機1機、燃料は重油専燃、軸馬力40,000馬力。
^ 資料や文献によってはアルハンゲルスクと表記する^[10]。
^ ユトランド沖海戦に参加したR級戦艦は2隻（リヴェンジ、ロイヤルオーク）のみである^[15]^[16]。
^ 計画が実施されなかった理由には、本艦を含むリヴェンジ級戦艦船体の余裕のなさ（艦橋と煙突が近接しており、Q.E.級戦艦のような艦橋増設が困難）、各艦の保存状態の悪さが挙げられるという^[18]。
^ 第二次世界大戦が勃発すると、英艦船には直ちに迷彩塗装がなされたが、海軍省指定迷彩の策定は1941年にまでもつれ込んだ^[19]。そのため、その間における『非公式』な迷彩塗装は各艦の艦長にその裁量が委ねられていた^[19]。
^ この海戦の終盤で地中海艦隊旗艦の英戦艦ウォースパイト (HMS Warspite) と^[22]、イタリア王立海軍の戦艦コンテ・ディ・カブール (Conte di Cavour) およびジュリオ・チェザーレ (Giulio Cesare) などとの砲撃戦が繰り広げられ^[23]、チェザーレが中破している^[24]。
^ この頃の王立海軍は人員不足が喫緊の課題となっており、既に老朽艦というべき本艦でその乗組員を遊ばせておくわけにはいかなかった^[28]。
^ 次世代主力艦となるはずだったソビエツキー・ソユーズ級戦艦は、独ソ戦（大祖国戦争）で全隻建造中止となった^[31]。
^ バルト海に配備された十月革命号 (Октябрьская революция) は、幾度も損傷していた^[33]。パリジスカヤ・コンムナ (Парижская коммуна) は黒海艦隊に配備され、黒海で行動していた^[34]。
^ レニングラード包囲戦で戦艦マラート (Марат) が船体切断の大被害を受け、浮き砲台となっていた^[35]。

出典

^ 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 97ロイヤルサブリン(R級)ROYAL SOVEREIGN
^ ^a ^b ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, pp. 122–125戦艦ロイヤル・サヴリン級／地味な役回りに終わった量産型戦艦
^ 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 86ロイヤルサブリン／乾舷を増やし凌波性を高めた近代戦艦の祖
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 106a戦艦「リヴェンジ」REVENGE／設計段階で速力を重視せず第2次大戦で船団護衛に活用
^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 48a-49イギリス　ロイヤル・サブリン級
^ 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 99ロイヤルサブリン(R級)速力を重視しない従来型戦艦の設計を踏襲
^ ^a ^b ポケット海軍年鑑 1937, p. 71(原本124-125頁)戰艦レゾルーション
^ ^a ^b 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 149a英国からソ連へ貸与された「アルハンゲリスク」
^ ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, pp. 202a-203アルハンゲリスク(ソ連)イギリスから譲渡された旧式戦艦
^ ^a ^b 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 182a☆ソビエト☆アルハンゲルスク
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 149b戦利艦として手にいれた「ノヴォロシースク」
^ ^a ^b 岡部 2012, p. 172.
^ ^a ^b ^c ^d Wright 2016, p. 51.
^ 宮永 2015, p. 28.
^ ^a ^b ^c 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 106b.
^ 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 16ジュットランド海戦に参加した戦艦・巡洋戦艦(イギリス、ドイツ一覧表)
^ 岡部 2012, p. 165.
^ ^a ^b 岡部 2012, p. 158.
^ ^a ^b 宮田一登志編『海外艦艇模型超入門』 vol.27、新紀元社、東京都千代田区、2016年11月25日、39頁。ISBN 9784775314609。
^ Wright 2016, p. 49.
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^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 80.
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^ ^a ^b 岡部 2012, p. 167.
^ ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, p. 134.
^ ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, p. 124.
^ ^a ^b ^c ^d Wright 2016, p. 50.
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^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, pp. 174–175☆ソビエト☆独ソ開戦時は三隻の戦艦を保有
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 166Sovetsky Soyuz-class 列強の戦艦と互角の性能を有するソ連海軍が初めて建造に着手した大艦巨砲
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 148戦艦「ガングート」
^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 182c☆ソビエト☆オクティアブルスカヤ・レヴォルーティア(バルト海艦隊)
^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 182d☆ソビエト☆パリスカヤ・コムーナ(黒海艦隊)
^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 182b☆ソビエト☆マラート(バルト海艦隊)
^ 幻のソ連戦艦建造計画、143、146ページ
^ 岡部 2012, p. 170.
^ 宮永 2015, p. 29.
^ 幻のソ連戦艦建造計画、148ページ
^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, pp. 124–125アルハンゲルスク
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 127戦艦「ティルピッツ」TIRPITZ　フィヨルドに籠り存在するだけで英海軍を脅かす
^ ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, p. 203.
^ Paterson, p. 153
^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 175.
^ ^a ^b Paterson, pp. 153–154
^ Rohwer, p. 350
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^ ^a ^b Budzbon, p. 3
^ Ward, p. 44
^ ^a ^b 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 182e.
^ Paterson, pp. 154–156
^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 149c.
^ ^a ^b McLaughlin, p. 418
^ ミリタリー選書(6)世界の戦艦 2005, pp. 186–189戦艦コンテ・ディ・カブール級(イタリア)大戦間に生まれ変わったド級戦艦
^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 78–81イタリア　コンテ・ディ・カヴール級
^ Daniel, pp. 98–99
^ 幻のソ連戦艦建造計画、150ページ