レジデンシーとワークショップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/09 21:28 UTC 版)
「ヘマ・ウパディヤイ」の記事における「レジデンシーとワークショップ」の解説
2010年にヘマは、フランスのサシェにあるアトリエ・カルダーに、アーティスト・イン・レジデンスにならないかと誘われた。彼女はそのときそこで、「防腐剤があるのは思い出だけ」という作品を完成させたところだった。この作品はサシェを取り巻く自然に触発されたものであるが、ヘマがずっと取り組んできたアイデアを反映させたものでもあった。彼女はスタジオの中に森を再現しようとしたが、これは文字通りの意味ではなく、この地区で見つけたある木々の著作権フリーの写真を使って、自然由来の素材を一切使わないで風景を作り上げた。 2003年にヘマは、カラーチーにある Vasl にて住み込み制作を行い、Loco foco motto と題した作品を作った。本作はインドとパキスタンの分離独立に関連した彼女の家族の歴史を念頭に、インドとパキスタンの間にある溝について語るものであった。そして本作は、彼女のそれまでのトレードマークであった象徴主義との決別を示す作品ともなった。ヘマはマッチ棒を繋ぎ合わせてシャンデリアを作り、それまでより一層、物を作ることに主眼を置くようになった。精緻なシャンデリアを構成する数千もの火のついていないマッチ棒は、ヒンドゥー教の祭祀(アグニ)において重要な要素の具現化であり、破壊と創造の象徴であった。 その後の作品としては、「キリング・サイト」と題された、インドのスピリチュアルな美術やテキスタイルからの引用で表面を埋め尽くした作品や、「希望を夢見る-夢を希望する」 Dream a wish-wish a dream (2006) という、彼女がこれまで作ってきた中で初めての大規模なインスタレーションがある。この作品は、見た目は単なるムンバイの景観のように見えるが、実際には、ムンバイを作る移民たちによってムンバイの景観が変化しているのだということを示そうとしたものである。 Only Memory has Preservatives, 2010, Atelier Calder, Sache, France Moderniznation, 2011, Espace Topographie de l'Art, Festival D' Automne a Paris, Paris, France The Princesses' Rusted Belt, 250 handmade clay birds, iron wire, acrylic, watercolours, cotton thread and text on printing paper, dimensions variable, 2011, Studio La Citta, Verona, Italy The Princesses' Rusted Belt, Mixed media on arches paper, 72 x 48 in, 2011, Studio La Citta, Verona, Italy Loco foco motto, 2007, Hanger Bicocca, Milan, Italy Killing Site, 2008, Studio La Citta, Verona, Italy Dream a wish-wish a dream, 2006
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