レジデンシャル・カンパニー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/31 05:08 UTC 版)
「Noism」の記事における「レジデンシャル・カンパニー」の解説
レジデンシャル・カンパニーとは一言で言うと「劇場専属の芸術団体」である。 欧米をはじめ諸外国では、地域の劇場の専属芸術団体としてダンスカンパニーもしくはバレエ団が存在することは当たり前のことで、ほとんどの団体は政府や自治体の予算で芸術活動を維持継続している。 しかし日本の行政は箱物として文化施設の建設・維持・経営をするものの、劇場専属のダンスカンパニーはもとより、専属劇団、専属オーケストラさえ存在していなかった。芸術団体に対する支援は行政も行っているが、多くは民間のメセナや財団等の助成金などによっている。そのため芸術団体の維持が困難で、団員は無給の場合が珍しくない。したがって日本では舞台芸術は、商業演劇やエンターテインメントを除いて、低いレベルのまま放っておかれたと言える。特に、バレエなど西洋のダンスは、日本では観客も育っていないため、職業としてのダンサーはほとんど成立しなかった。日本人の有名ダンサーは生活を保障される海外の劇場レジデンシャル・カンパニーに所属する場合が多く、優秀な人材の海外流出は深刻である。日本では唯一、新国立劇場バレエ団の例があるが、団員の生活を保障するだけの報酬が出されていないなどレジデンシャル・カンパニーとしての条件を満たしていない。このような状況のなかで新潟市は、日本海側の中枢都市にふさわしい世界レベルの文化都市をめざす施策の一環として、世界的な知名度のある金森穣を抜擢し、新しいダンスカンパニーのための環境整備を図っている。
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