レガシーと列福
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 09:11 UTC 版)
「フランツ・イェーガーシュテッター」の記事における「レガシーと列福」の解説
イェーガーシュテッターの行動は地元で批判され、とりわけ従軍した人々からは、夫や父としての義務を果たさなかったとして痛烈に批判された。ザンクト・ラデグントの地元自治体は、当初地元の戦争祈念施設に彼の名前を刻むことも拒否していたし、未亡人となったフランツィスカへの年金も1950年まで許可しなかった。 彼の辿った運命は、1964年にアメリカの社会学者ゴードン・ザーン(英語版)が伝記『イン・ソリタリー・ウィットネス(英語版)』(原題)を発表するまでよく知られていなかった。高名な厳律シトー会の修道士で平和活動家のトマス・マートンは、1968年に書いた "Faith and Violence" でイェーガーシュテッターに関して1章を割いている。1971年にオーストリアでのテレビ放送用に作られた映画 "Verweigerung"(意味は「拒否」、当初の題名は "Der Fall Jägerstätter")では彼の人生が扱われ、アクセル・コーティ(英語版)が監督、クルト・ヴァインツィアール(英語版)が主演を務めた。1989年には、彼の言葉を元に "You Call Me" という曲が作られた。1995年には毎年開かれるブラウナウ現代史の日(英語版)でイェーガーシュテッターの話が取り上げられた。1997年5月7日には、ベルリン地方裁判所(英語版)によって死刑判決が取り消された。2006年にはザンクト・ラデグントに彼を記念するストルパーシュタイン(つまずきの石)が設置された。 2007年6月、ローマ教皇ベネディクト16世はイェーガーシュテッターを殉教者と認定する使徒的勧告(英語版)を発表した。2007年10月26日、リンツの新大聖堂(英語版)でホセ・サライバ・マルティンス(英語版)枢機卿が式を執り行い、イェーガーシュテッターは列福された。彼の記念日は洗礼を受けた5月21日に決まった。列福に伴い、彼の書いた手紙1通と、聖遺骨として納められた遺灰の一部が、リンツ新大聖堂に保管されることになった。2009年にはドキュメンタリー映画 "Franz Jaegerstaetter: A Man of Conscience" が公開された。 2019年、テレンス・マリック監督による映画『名もなき生涯』"A Hidden Life" が公開され、イェーガーシュテッターをアウグスト・ディールが演じた。作品の初公開は2019年5月の第72回カンヌ国際映画祭で、同映画祭でエキュメニカル審査員賞とフランソワ・シャレ賞(英語版)を受賞した。この作品はエルナ・プッツ(英語版)が編纂した本 "Franz Jägerstätter: Letters and Writings from Prison" を原案としており、マリックが製作のための翻案権を取得している。
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