レガシー 500 (EMB-550)
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「エンブラエル レガシー 500」の記事における「レガシー 500 (EMB-550)」の解説
エンブラエルの開発スケジュールは、フライ・バイ・ワイヤ式操縦系統のソフトウェア開発が予定通りにいかなかったため、遅延した。800人のエンジニアの支援を受け、2012年第3四半期に予定される初飛行に先立ち、地上試験やシステム評価に用いるためのレガシー 500の最初のプロトタイプが、2011年12月23日に完成した。最初のエンジン試験は2012年1月17日に行われた。 レガシー 500の初飛行は、2012年11月27日に行われた。この時点では型式証明と最初の納入は2014年初頭と考えられていた。1,800時間の飛行試験と2万時間の実験室試験を終え、2014年8月12日にブラジル民間航空局(英語版)から型式証明を受けたが、これは開発目標を過ぎていた。最初の納入は2014年10月11日にブラジルの企業に対して行われた。そして、FAA (アメリカ連邦航空局) の型式証明を2014年10月21日に取得した。50機目のレガシー 500の納入は、2016年第3四半期と見込まれている。 レガシー 500は最大12人を乗せる構成にでき、乗客8人の場合は5,460 km、乗客4人の場合は5,788 km飛行できる。機体のフライ・バイ・ワイヤ制御は安全性や快適性を高めている。初期巡航高度である13,100 m (43,000フィート) への上昇には22分かかる。また、27度の後退角は、長距離巡航時に 807 km/h の真対気速度を実現している。この速度はマッハ数でいうと0.76~0.78程度である。もしマッハ0.80で巡航するならば、航続距離は3%短くなる。 レガシー 500は、1,790万ドルのセスナ サイテーション・ソヴリン(英語版)+ や、2,340万ドルのセスナ サイテーション X(英語版)のような中型機と競合し、2,400万ドルのガルフストリーム G280や2,600万ドルのボンバルディア チャレンジャー 350のような高性能な中型機 (super-midsize) とも競合する。また、中止になったリアジェット85の計画とも比較されうる。 ボンバルディアはチャレンジャー 300/350の価格を、レガシー 500の2,000万ドルという価格に合わせて700万ドル安くしたが、ガルフストリームはG280の価格を2,450万ドルに据え置いた。しかし、高性能な中型機の供給過剰により、レガシー 500の中古市場における基準価格は25%下がった。
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