リスカム・ベイ (護衛空母)
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リスカム・ベイ (英語: USS Liscome Bay, CVE-56) は、アメリカ海軍が第二次世界大戦で運用した航空母艦[1]。カサブランカ級航空母艦の2番艦。艦名はアラスカ南東海岸沖にあるダール島のリスカム湾に因んで命名された。1943年(昭和18年)8月に就役後、太平洋戦争中期のギルバート・マーシャル諸島攻略戦(ガルヴァニック作戦)に参加する。マキン攻防戦に従事中の11月24日(日本時間11月25日)[2][注釈 1]、日本海軍の伊175(潜水艦長田畑直中佐)の魚雷攻撃により爆沈した[4][5]。リスカム・ベイは、太平洋戦争でアメリカ海軍が失った最初の護衛空母となった[6]。
注
- ^ a b (昭和18年11月25日)[3]〔 18-11|25|0135/0210|イ175ハ「マキン」ノWSW20′ニテA×1 C(d)×1 d×1ヲ発見/A×1ヲ攻撃|南洋 12sg/6F|魚雷三本命中 約六時間d×2ノ制圧爆雷攻撃ヲ受ク 相当ノ被害アリシモ無事脱過 戰斗航海ニ支障アル為EB指揮官ハ「クェゼリン」ニ帰投応急修理発令 〕
- ^ 翌年7月下旬、アメリカ海軍のボーグ級航空母艦のバフィン (USS Baffins, CVE-35) がイギリス海軍に貸与され、イギリス護衛空母アミール (HMS Ameer, D01) となった。
- ^ 艦種記号の“CVE”は、乗組員からは「可燃性で無防備な消耗品 Combustible, Vulnerable, Expendable」と呼ばれたという[7]。
- ^ 戦艦ミシシッピ (USS Mississippi, BB-41) では砲塔が爆発し、43名が死亡して19名が負傷した[5]。
- ^ 後日、ホエールはサマール島沖で栗田艦隊と交戦し、護衛空母ガンビア・ベイ (USS Gambier Bay, CVE-73) などと共に沈没した[25](レイテ沖海戦)。
- ^ 真珠湾攻撃時の戦艦ウェストバージニア (USS West Virginia, BB-48) 乗組員で、ベニオン艦長の救護や対空戦闘での功績により、アフリカ系アメリカ人として初めて海軍十字章を受章した[28]。
- ^ 喪失(伊19、伊21、伊35、伊39、伊40、呂38)[31]。
- ^ 752空は、司令園山斉大佐(海軍兵学校49期)、飛行長瀬戸山八郎少佐(海兵58期)、飛行隊長野中五郎少佐(海兵61期)[32]。
- ^ (昭和18年11月25日)[34]〔 18-11|25|1110|「マキン」ノSW20′ニA×2 B×3 d×4 3ktニテ南下/内南洋方面部隊航空部隊指揮官ハflo×2ニテ触接、雷装ノflo×14ニテ「マキン」島ノSW20′ノ敵部隊ニ対シ薄暮攻撃ヲ企図|南洋/〃|1445同部隊ハ漂泊中 先ニ伊175ノ攻撃ニテ損傷セシA救掩ノ如シ/悪天候ニテ敵ヲ発見セズ 〕
脚注
- ^ 大内、護衛空母入門 2005, pp. 84–85第5表 アメリカ海軍護衛空母一覧
- ^ 戦史叢書98 1979, p. 277.
- ^ 「昭和18.8.15~昭和18.12.31太平洋戦争経過概要その6(防衛省防衛研究所)18年11月24日~18年11月30日 p.2」 アジア歴史資料センター Ref.C16120637600
- ^ a b ショー、Tarawa 1998, pp. 205–207米護衛空母を撃沈
- ^ a b 戦艦ワシントン 1988, pp. 246–247.
- ^ a b 大内、護衛空母入門 2005, pp. 228–229.
- ^ 歴群53、アメリカの空母 2006, p. 141太平洋戦争時における護衛空母全般の評価
- ^ ニミッツ 1962, pp. 217–219ギルバート諸島の奪回
- ^ ショー、Tarawa 1998, pp. 25–28タラワ、マキン、アパママ同時占領へ
- ^ ショー、Tarawa 1998, pp. 199–202ブタリタリ島に三個大隊
- ^ ニミッツ 1962, p. 220.
- ^ ショー、Tarawa 1998, pp. 203–205日本守備隊の逆襲
- ^ a b ニミッツ 1962, p. 221.
- ^ 潜水艦百物語 2018, p. 322機材篇(72)海大六型b
- ^ 潜水艦百物語 2018, pp. 174–176(35)護衛空母「リスカムベイ」撃沈
- ^ 永井、木俣、227ページ
- ^ 『日本潜水艦戦史』146頁
- ^ 戦史叢書98 1979, pp. 276–280作戦経過
- ^ 潜水艦百物語 2018, pp. 171–173(34)悲劇のギルバート作戦
- ^ 戦史叢書98 1979, p. 278挿図第十五、ギルバート方面潜水艦配備図(昭和十八年十一月十九日~十二月三日)
- ^ a b 潜水艦百物語 2018, p. 172.
- ^ 連合軍艦艇撃沈す 2013, p. 41.
- ^ a b 永井、木俣、230ページ
- ^ 連合軍艦艇撃沈す 2013, p. 47.
- ^ ニミッツ 1962, pp. 336–343サマール沖海戦
- ^ a b 永井、木俣、231ページ
- ^ 連合軍艦艇撃沈す 2013, p. 48.
- ^ パール・ハーバー 1991, pp. 80–81.
- ^ 潜水艦百物語 2018, p. 176.
- ^ a b 永井、木俣、232ページ
- ^ 戦史叢書98 1979, pp. 280–281第六艦隊司令部の反省
- ^ 一式陸攻戦史 2019, pp. 336–340「べらんめえ隊長」、ルオットへ
- ^ 一式陸攻戦史 2019, p. 339.
- ^ 「昭和18.8.15~昭和18.12.31太平洋戦争経過概要その6(防衛省防衛研究所)18年11月24日~18年11月30日 p.7」 アジア歴史資料センター Ref.C16120637600
- ^ ブュエル, 316ページ
- ^ 永井、木俣、233ページ
- ^ 連合軍艦艇撃沈す 2013, p. 49.
- ^ 歴群53、アメリカの空母 2006, p. 151雷撃による損傷とそれによる戦訓対策●軽空母と護衛空母
- ^ 戦史叢書98 1979, p. 477付録第二 日本海軍潜水艦喪失状況一覧表/伊175
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- 4 関連項目
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