リカンベントの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 15:31 UTC 版)
リカンベントには二輪のものと三輪( 英: tricycle, trike)のものがあり、三輪のものはリカンベント・トライクと呼ばれ、前1輪のものをデルタ(英: delta)型、前2輪を「オタマジャクシ」を意味する英語の"tadpole"に由来してタドポールと呼ぶ。ペダルは前輪より前方、あるいは上方に位置しているものが多い一方、普通の自転車に比べると前寄りだが前輪の後方に位置したものもあり、セミ・リカンベントと呼ばれる。 リカンベントのハンドルは、通常の自転車のようにシートより高く、運転者の前にあるもの(OSS: Over Seat Steering / ASS: Above Seat Steering)とシートより低い位置にあるもの(USS: Under Seat Steering)とがある。シートより高いステアリングの場合はステムを前方に倒すことができる構造で乗り降りの際に運転者の体と干渉しないようにできているものが一般的であるが、一部に固定式のものも存在する。シートより低いステアリングの場合は、腕の力を使ってシートから腰がずれないように姿勢を保つことが容易であるが、舵角が制限される構造で、操縦感覚が一般の自転車と大きく異なる。競技用のもの[要出典]や三輪のものには後輪操舵のものも存在する(ツノダ「サイククルーザー」など)。 乗車位置の高さによりハイレーサー、ミッドレーサー、ローレーサーなどと分類する場合がある。乗車位置が低いほど前面投影面積が小さく、空気抵抗を受けにくくなる。ローレーサーの中には、地上から十数センチという低い位置に座面が設置された車両が販売されている。一方で、公道などでは自動車など他者から見落とされて事故に至る危険があるため、相手に目立つように旗を立てる必要もある。また、最低地上高が低くなるので路面の凹凸が大きい場合は車体の一部が路面に接触する可能性もある。 ローレーサーよりさらに空気抵抗を低くするため、車体全体をカーボンファイバー製などのスムーズなフェアリング(英語版)で覆ったストリームライナーという車種もある。全体を覆うのではなくシートの後ろやクランクの前に取り付けるフェアリングも市販されている。フルカバーの2輪のストリームライナーは量産されておらず、個人による製作がほとんどである。人力による最高速度記録に挑戦する競技用車両は軒並みこのタイプになるが、自動車の車体のようにほぼ密閉されているため運転者は地面に足をつくことができず、発進、停止には第三者の補助が必要となる。また、なるべくフェアリングを平滑にして空気抵抗を低減するために窓はなく、運転者はフェアリングに設置されたカメラを通してモニターで前方を視認する。 ストリームライナーと同様に車体全体がフェアリングで覆われているが、日常利用で使いやすいように自立できる3輪とし、サスペンションや荷物スペースなどを設けたものをベロモービルという。数社から組み立てキットなどが販売されている。
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