ヨコイズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 15:35 UTC 版)
横井の開発商品は、コミュニケーション性が特徴である。大学時代に遊び人だった経験が活かされている。時としてそれが大ヒットを誘発する要因となる。 ラブテスターは、男女が手を繋ぎ、愛情度を測るための玩具だが、開発の動機は「女性と気兼ねなく手を繋げる」というものだった。なお、機能や構造は嘘発見器の機能を簡易的に応用したものであり、この設計にも下記する「枯れた技術の水平思考」が使われている。 コンピューター麻雀 役満は、2台繋げて人間同士でも対決できるボード型の麻雀ゲーム端末である。2人で線を繋いで対戦できなければしょうがないという横井の思想がある。 ゲームボーイは削れる要素は削りに削ってコスト削減したが、発売当初は用途があまり重要ではなかった通信ポートを搭載した理由は、「あまりコストが跳ねないから、付けておけばなにか面白いゲームができるかもしれない」といった希望的観測によるものだった。これは後に、世界初のオリジナルモードとなる『対戦型テトリス』やプレイヤー間の通信がゲームの中心要素となった『ポケットモンスター』で本格的に陽の目をみる。ニンテンドーDSへとシフトした携帯ゲーム機市場においても、ユーザー間通信が重要なファクターとなっている。 ゲーム&ウオッチで初搭載した十字キーは、感触によって押している方向が手元を見なくても分かる。 1990年代半ばに「家庭用ゲーム機はアイデア不足。アイデア不足の逃げ道はCPU競争であり色競争しかないものだ」と、高性能化する家庭用ゲーム機を皮肉った。横井の死後のこととなるが、日本の市場はCPU競争が一段落した1990年代後半から大きく減速し、2000年以降のゲーム業界でのグラフィック重視の風潮やそれらの開発費の高騰が起こって大きな問題となっており、行き着く先を言い当てていたこととなる。 社内では、管理職も平社員も違う部署の人間でも会社で働く身同士、立場は対等であるという考えを貫いた。 これらのヨコイズムは、宮本の「万人向け」ゲームの開発など、任天堂のゲーム開発方針そのものにも大きな影響を与えている。
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