メリノー種とは? わかりやすく解説

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メリノ種

(メリノー種 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/22 11:38 UTC 版)

メリノ種(Merino)は、ウールの生産を目的として品種改良されたヒツジで、毛が繊細なことで他の羊に比べて特に優れており、毛色も白く、体質も強く、群れる性質が強く放牧に適した品種である。メリノ種の原型は、ローマ帝国の人物であるルチウス・コルメラ(Lucius Junius Moderatus Columella)が、1世紀前半にイベリア半島ローマのタレンティーネ種とアジア系・北アフリカ系・半島土着種を交配し開発したものである[1]17世紀にスペイン王室がスペインからの輸出を禁止し独占する戦略を採用し、その優れた品質の羊毛を原料とした毛織物はスペインの重要な輸出品となった。その後、いくつかの経緯でオーストラリアニュージーランドフランスアメリカ合衆国などでも飼育されるようになり(それぞれオーストラリアン・メリノ、ニュージーランド・メリノ、フレンチメリノ、USメリノなどと呼ばれており)その他のいくつもの国でも飼育されるようになっており、メリノウールはその優れた品質と生産量により、ウールの代表とも見なされている。現在、メリノウールの約80%はオーストラリアで生産されている[2]


  1. ^ 楠貞義「1章 スペイン経済の生成と発展」『スペインの経済 新しい欧州先進国の課題』、早稲田大学出版部、1998年5月、11-40頁、ISBN 4657985256 
  2. ^ HISTORY OF WOOL
  3. ^ a b c d e 大内輝夫 『羊蹄記』 平凡社 1991年 第2章 メリノの誕生
  4. ^ A. Girard, Le Commerce français à Séville et Cadix au temps des Habsbourg, 1932, p.45; M. Mollat, Le commerce maritime normand à la fin du Moyen Age, 1950, pp.507-515.
  5. ^ Girard, pp.45-47.
  6. ^ Girard, p.53.
  7. ^ H. Lapeyre, Une famille de marchands: les Ruiz, 1955, p.399.
  8. ^ Girard, p.51.
  9. ^ a b c d e 『羊蹄記』 第3章 ヨーロッパに広がるメリノ
  10. ^ a b c d 松尾展成「ザクセンにおける牧羊業の興隆と衰退」『岡山大学経済学会雑誌』第3巻第2号、岡山大学経済学会、1971年10月、1-46頁、doi:10.18926/OER/42379ISSN 03863069NAID 120002737711 
  11. ^ a b 『羊蹄記』 第5章 ヨーロッパの牧羊 ソビエト
  12. ^ シレジアでの牧羊はプロイセンの国策であった。
  13. ^ en:List of Jewish American businesspeople in financeも参照のこと。JPモルガンやロスチャイルドはユダヤ系商人である。
  14. ^ a b c d 『羊蹄記』 第6章 アメリカ大陸の牧羊
  15. ^ 彼の息子にはエドワード・ヘンティがいる。
  16. ^ スペインを半島戦争で支援した見返りであった。
  17. ^ 『羊蹄記』 第4章 英国の牧羊
  18. ^ Vermont History, William Javis and the Merino Sheep craze.
  19. ^ a b c d e 『羊蹄記』 第7章 南アフリカの牧羊
  20. ^ a b c d e 『羊蹄記』 第8章 オーストラリアの牧羊
  21. ^ Australian Dictionary of Biography, Paterson, William (1755–1810), in Australian Dictionary of Biography, Volume 2, (MUP), 1967
  22. ^ South African sheep breeds: Merino, "Origin of the breed"
  23. ^ ロスチャイルドがスペイン東部に南北へサラゴサアリカンテ鉄道を敷いてから、荘園制ラティフンディオの爪痕が深い内陸まで交通が整備されるのには相当長い年月を要した。英西戦争からスペインは特にアメリカ植民地との貿易が途絶してしまい、やがてハンブルクとアントウェルペンに対アメリカ貿易の覇権を奪われた。
  24. ^ a b 石田高生『オーストラリアの金融・経済の発展』日本経済評論社、2005年、68-69頁。 NCID BA71675215https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008599723-00 石田高生「オーストラリアの金融・経済の発展」北海道大学 博士論文 (経済学)、 乙第6514号、2007年、NAID 500000386437 
  25. ^ 1883年イギリスはマフディー戦争にてこずり、アフリカ分割の主導権をドイツに奪われてしまった。
  26. ^ ポセイドン・バブルと英国病が続く間に鉱業へ主役の座を奪われた。
  1. ^ カトリック資本? ではなく、あくまでユダヤ系の資本のはず。
  2. ^ フランス語の「シャトー」(Château)は、単なる建物の城(邸宅)ではなく、邸宅およびその周囲の広大な領地を含めてワンセットで指す。現代の広大なワイン農園も「シャトー」と呼ばれる。建物の城(邸宅)が無い場合ですら「シャトー」と呼ばれる。
  3. ^ 一方、英国種は豪雨に耐え、その太めの羊毛が戦争で需要が高まったこともあり、アルゼンチンとウルグアイの両方で採用されていった。
  4. ^ デュポンとドレセールの二人には、しばしば典拠により敬称のMrが約まってMだけついていることもある。『羊蹄記』はM表記だがファーストネームではない。
  5. ^ この後、長兄のセバスチャン・バレンタインのみが大牧場主となった。
  6. ^ この1812年、ジョン・クラドック総督(John Cradock, 1st Baron Howden)がミシェルを農相に指名した。A history of SA Merino farming, By Denene Erasmus May 22, 2014
  7. ^ フレデリックとミシェル、二人ともリーネン家の女性と結婚していた。"A history of SA Merino farming"


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