マレー語・インドネシア語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 06:44 UTC 版)
「リングワ・フランカ」の記事における「マレー語・インドネシア語」の解説
マレー語は、インドネシア・スマトラ島東部の方言がシュリーヴィジャヤ王国の繁栄と共にマレー半島にまで広まり、マレー商人の活躍に伴って15世紀ころからインドネシア各地、インドシナ半島海岸地方で用いられるようになり、東南アジアにおける共通語として発達した言語である。例えば東南アジアの最東に位置するフィリピンにおいても、交易のためマレー語を話す者が多く、フィリピンに到達したフェルディナンド・マゼランが、現地人にマレー語を理解できる者がいた事から、世界を一周した事を確認した逸話がある。 マレー語は現在、マレーシアとシンガポールの国語である。またブルネイでは標準マレー語が公用語となっており、一般には語彙の90%が一致するブルネイ語(ブルネイ・マレー語)が主に話されている。 のちにインドネシアになる地域(17世紀以降第二次大戦まではオランダ領東インド)では、ジャワ語、スンダ語など数多くの地方語が話されていたが、宗主国オランダからの独立を求める民族主義運動によって海峡マレー語がインドネシア民族の共通の言葉「インドネシア語」として採用され、独立後に国語となった。教育や放送はインドネシア語で行われるため普及しているが、母語率は現在でも1割程度であり、多くのインドネシア国民にとって新しい言語である。選定時に国民の半数がジャワ語が母語であったが、すでに優位なジャワ人がますます優位になってしまうこと、ジャワ語には複雑な敬語表現があり難解、かつ自由平等の観点から「インドネシア語」には選ばれなかった。 元々は同じ言語であったマレー語とインドネシア語は、植民地時代の宗主国言語の流入(マレーシアはイギリス英語、インドネシアはオランダ語)や地方語の流入(インドネシアでは話者数最大のジャワ語からの流入が多数)、地域による表現の違いなどにより、現在では多くの差異がある。
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