マレー‐しじょうちゅう〔‐シジヤウチユウ〕【マレー糸状虫】
マレー糸状虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:37 UTC 版)
「八丈小島のマレー糸状虫症」の記事における「マレー糸状虫」の解説
マレー糸状虫(英語版) Brugia malayi (Brug, 1927)はバンクロフト糸状虫以外のリンパ系フィラリア症の残りのほとんどを占めている。1927年(昭和2年)、マレー半島やスマトラ島でミクロフィラリアを研究していたオランダ軍軍医のリヒテンシュタインLichtensteinは、採取したいくつかのミクロフィラリアがバンクロフト糸状虫と形態的に異なることに気付いた。それはバンクロフト糸状虫と比べると小さく、虫体は何か所も細かく湾曲していた。この報告を受けた同じオランダ人寄生虫学者のブルフ Steffen Lambert Brug は論文に新種記載し、マレー種の糸状虫 Brugia malayi と命名し報告した。 マレー糸状虫症の大きな特徴は、バンクロフト糸状虫症で見られる陰嚢水腫や乳糜尿を起こす患者が認められないことである。また、リンパ浮腫や象皮病が起こる部位も下腿部のみ(膝関節から上部を超えない)のケースがほとんどである。このようなバンクロフト糸状虫症との差異の理由は解明されていないが、成虫の寄生するリンパ系の部位が異なるためだと考えられている。
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