マイケル・ドロズニンに対する批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 15:36 UTC 版)
「聖書の暗号」の記事における「マイケル・ドロズニンに対する批判」の解説
ジャーナリストのドロスニンの著書は、聖書の暗号は本物ではあるが未来を予知することはできないと考える人々によって批判されてきた。イスラエルのラビン首相の死について、ドロスニンは彼の著書『聖書の暗号』("The Bible Code"、1997年に出版)の120頁に、「イガール・アミルを事前に見つけることはできなかった」と書いた。これは、1993年のオスロ合意から1995年11月4日のイツハク・ラビン暗殺までのイスラエルの政治の危険な時期においては非常に明らかである。 批評家は、ドロズニンが発見したと主張する「暗号」に重大な誤りがあると述べた。ドロズニンは申命記4章42節の聖句を誤用している。学者たちは次のように述べている。「例として、ラビンと交差する箇所を再度引用する。その箇所は申命記4章42節からのものであるが、ドロズニンは『殺人をする殺人者』の直後の言葉を無視している。次に来るのは『無意識のうちに』("biveli da'at")という句である。なぜなら、この節は過失により殺人を犯した者が避難することのできる逃れの町について語っているからである。この場合、このメッセージはラビンの(またはラビンによる)過失の殺害を指し、したがって、これは誤りであると考えられる。別のメッセージ(71頁)には、おそらく、1996年2月25日のエルサレムでのバス爆破テロ事件の「完全な」記述が含まれていると思われる。これには『火、大きな騒音』という句が含まれているが、この2つの言葉を作る文字は、実際には『シェケムの近くにあるテレビンの木の下』という、創世記35章4節からのより長い句の一部であるという事実が見落とされている。もしこの句がバス爆破テロ事件について述べているならば、それが古代シェケムの位置にあるナーブルスで起こることを示していると取らないのは何故か。」 また、ドロズニンは数多くの主張と、いわゆる(後に実現しなかった)予言を述べた。特に重要なものは、ドロズニンは2002年12月2日に出版された彼の著書「聖書の暗号2」で、世界の終わりとされる「原子力による大虐殺」を伴う世界大戦が起こることを明確に述べている。「聖書の暗号2」におけるドロズニンのもう一つの主張は、リビアが大量破壊兵器を開発しテロリストに与え、それを使用して西洋諸国(特に米国)を攻撃するというものである。実際には、2003年にリビアは西洋諸国との関係を改善し、既存の大量破壊兵器製造計画をすべて放棄した。「聖書の暗号2」でのドロズニンの最後の主張は、パレスチナ自治政府の指導者ヤセル・アラファトが、パレスチナのハマスの銃撃者に暗殺されるというものだった。ヤセル・アラファトは、後に自然死であると発表された原因(具体的には、未知の感染症によって引き起こされた脳卒中)によって2004年11月11日に死去したため、ドロズニンによるこの予言も実現しなかった。ヤセル・アラファトが殺害されたという唯一の陰謀説は数人のパレスチナ人の人物によって作られたものであり、イスラエル当局の命令によって毒殺されたというものである。この陰謀説における唯一のパレスチナ人の協力は、ファタハの主要人物2人が関与しており、それらは現在のパレスチナ自治政府とファタハの指導者マフムード・アッバースと、ガザのファタハの指導者であるモハメッド・ダーラン(英語版)であると主張されている。 彼は科学界で多くの支持を得ており、彼の主張をより説得力のあるものにするためにヘブライ語を誤訳し、聖書以外の本に同様の暗号が無いことを証明せずに聖書を使用していると一部の者は彼を非難している。
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