ベイヤー ピーコックとは? わかりやすく解説

ベイヤー・ピーコック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 13:29 UTC 版)

東武鉄道B1形5号機の製造銘板。機関車のデザインと一体化した優美なものである。

ベイヤー・ピーコック(Beyer, Peacock & Co. Ltd.,)は、イギリスマンチェスターに存在した鉄道車両メーカー。チャールズ・ベイヤーとリチャード・ピーコックの2人によって創業、1854年から1966年の間に8000両余りの蒸気機関車スチームトラムディーゼル機関車などを生産した。

また、ウィリアム・ガーラット技師の考案した関節式蒸気機関車(ガーラット式蒸気機関車)のライセンスホルダーとして知られ、1909年にタスマニア向けに出荷された第1号機(軸配置B+B、製番5292)から1958年出荷のナミビア向け最終機(軸配置1C1+1C1、製番7868)まで、1,000両以上を北米大陸を除く世界各国に輸出した。

このメーカーで製造されたテンダー機関車は、日本では「ピーテン」(ピーコック社製のテンダー機の略)と呼ばれている。

1949年にメトロポリタン・ヴィッカース社との合弁会社を設立し、イギリス国鉄向けに82形電気機関車の製造を行った。 ディーゼル機関車としては、液体式の35形ディーゼル機関車、電気式の25形ディーゼル機関車、他社製造の下請であるものの17形ディーゼル機関車を製造した。最終的に1966年に廃業した。

日本に輸入されたベイヤー・ピーコックの蒸気機関車

東武鉄道5号機関車

国鉄(当時の鉄道省)、私鉄を問わず輸入され、日本の鉄道の黎明期を支えた。
太字の車両名は「ピーテン」と呼ばれているテンダー機関車。カッコ内に発注した会社と形式を示す。ただし、斜体字の車両名は準同形機である。

  • 鉄道院3200形(日本鉄道P3/5形)
    製造初年:1904年軸配置:2-6-2(1C1)。日本鉄道が導入した、勾配線用重タンク機。
  • 鉄道院3920形(鉄道作業局C2形)
    製造初年:1892年、軸配置:2-6-0(1C)。官設鉄道信越線横川軽井沢間(碓氷峠)で使用されたアプト式機関車。
  • 鉄道院3950形(鉄道作業局C3形)
    製造初年:1895年、軸配置:2-6-2(1C1)。官設鉄道が導入した3920形の改良形。
  • 鉄道院5300形(鉄道作業局D5形、山陽鉄道3形)
    製造初年:1882年、軸配置:4-4-0(2B)。官設鉄道、山陽鉄道が導入した旅客用テンダー機。
  • 鉄道院5490形(鉄道作業局D3形)
    製造初年:1882年、軸配置:4-4-0(2B)。官設鉄道が導入した旅客用機関車。輸入当初はタンク機であったが、後にテンダー式に改造された。総数2両。
  • 鉄道院5500形(鉄道作業局D6形、日本鉄道Pbt2/4形、東武鉄道B1形)
    製造初年:1883年、軸配置:4-4-0(2B)。官設鉄道、日本鉄道、東武鉄道が導入した旅客用テンダー機。総数82両を数える「ピーテン」の代表格。
  • 鉄道院5600形(日本鉄道Pbt2/4形、東武鉄道B3形
    製造初年:1889年、軸配置:4-4-0(2B)。日本鉄道が導入した5500形の改良形。ベルペア火室が特徴。日本鉄道では18両が使用されたが、1915年に東武鉄道が準同形機6両を導入し、日本におけるベイヤー・ピーコック製のみならず、イギリス製蒸機の最終形式となった。
  • 鉄道院7700形(鉄道作業局E4形、北海道鉄道C1形)
    製造初年:1894年、軸配置:2-6-0(1C)。官設鉄道、北海道鉄道が導入した勾配線用テンダー機。ベルペア火室とテンダー機でありながらサイドタンクを装備するのが特徴(官設鉄道の車両のみ)。

以下に掲げるのは、他社製品と同仕様で製造されたもの。

その他ベイヤー・ピーコック製の機関車

外部リンク


ベイヤー,ピーコック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/20 09:22 UTC 版)

南アフリカ鉄道NG G16型蒸気機関車」の記事における「ベイヤー,ピーコック」の解説

2次発注の8両の機関車1939年ベイヤー・ピーコックから納入され109から116車両番号あてがわれた。 3次発注1951年にさらに7両が再びベイヤーピーコックに発注され車両番号125から131あてがわれた。これらは炭水車溶接による接合水タンクの上部の側面丸くその間の上部が平らである。 4次発注は7両で車両番号137から143あてがわれ、ベイヤーピーコックによる最後蒸気機関車南西アフリカ(SWA)のツメブ会社仕様による発注製造だった。それらは機構的に初期クラス NG G16と似ていたが石炭水の積載量増えた。これらの機関車前部水の積載量増したが、後部炭水車には積載ぜず石炭積載量増やす為に使われた。計画ではナミブ砂漠横断する為に水タンク増設し軌間1067mmクラス GMクラス GMAMとして検討された。 しかしながら機関車製造中に全てのSWA狭軌路線軌間1067mm改軌する決定下された新し機関車1958年直接SAR納入された。 南アフリカ給水所間隔短かったので AvontuurとNatal線では水槽車不要だった。

※この「ベイヤー,ピーコック」の解説は、「南アフリカ鉄道NG G16型蒸気機関車」の解説の一部です。
「ベイヤー,ピーコック」を含む「南アフリカ鉄道NG G16型蒸気機関車」の記事については、「南アフリカ鉄道NG G16型蒸気機関車」の概要を参照ください。

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