プロレス以外の格闘技における頭突き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 08:54 UTC 版)
「頭突き」の記事における「プロレス以外の格闘技における頭突き」の解説
プロレス以外で頭突きを認めている格闘技は大道塾空道、相撲、ラウェイ。頭突きを禁止しているのは総合格闘技、ボクシング、キックボクシング、ムエタイ。頭を当てる行為はバッティングと呼ばれて肘打ちが認められていないルールでの肘打ちも含む。偶然にお互いの頭部が激突して相手または両者の額が割れたりなどして出血して試合続行不可能になるケースもある。 ボクシング等では故意に頭突きを犯す選手も存在する。もちろん反則であるがお互いが打ち合う接近戦にまぎれて使用したり同時にレフェリー側の手でのパンチも繰り出したりするとごまかされてしまうこともある。最悪、頭突きで相手が倒れて気づかれずにKO勝ちになってしまうケースも稀に存在する。偶然発生したバッティングで試合続行が不可能なほどの傷を負ってしまった場合は、そのラウンドまでのジャッジによる採点で勝敗を決める。また、世界ボクシング評議会では偶然のバッティングで、どちらかが出血した場合は出血していないほうから1点減点するという独自ルールを設けている。 従来の頭突きとは異なるが相手のパンチを自身の額で受ける変則的な防御方法もある。これは、まともに決まるとパンチを打った相手の拳が破壊されてしまう。ボクシング等では偶然にこの形になり、拳を負傷するケースがある。グローブが薄い総合格闘技や素手での喧嘩では高い効果が期待できるが相手のパンチの軌道を正確に見切る動体視力と極めて高度な先読みが必要不可欠となる。さらに接近戦の最中に頭部を前方に突き出すという行為自体に多大なリスクがあるため、一般的に勧められる技術とは言い難い。 大道塾空道では接近戦で相手の道着を掴んで引き寄せながら攻撃を加える場面が多い。顎に正確に頭突きを当てることができれば一撃でKOすることも可能である。また、道着をつかんだ状態で相手のサイドに回り、ボディに頭突きを入れるという使用方法もある。空道では頭突きから投げ技の連携が使いやすく一般的に投げ技が得意な選手が使用する事が多い。 総合格闘技においては、ほとんど禁止されているが初期のUFC(「UFC15」まで)などでは認められていた。主にレスリング出身者が得意としてケン・シャムロックはマウントポジションから頭突きを繰り出し続ける作戦で「UFC1」で敗れたホイス・グレイシーを相手に引き分けに持ち込んだ。また、伝統的なバーリトゥードでは認められていることが多い。 ルール無用の喧嘩等では頭突きは接近戦の武器として重要。最も硬い前頭部の頭髪の生え際付近を相手の顔面(特に鼻)に当てる。パンチに比べると硬く重い頭部の効果は高いが自らも頭部に傷を負うリスクも生じる。 前田日明は雑誌の対談[要出典]の中で「もし僕が女性向けの護身術を考えるなら、まず頭突きを教える」と語っている。前田の弁によれば、頭突きは女性の力であっても強烈な打撃力を発揮する技であり、「謝る振りをするか、抱きつくと見せかけて鼻の下(人中と呼ばれる人体の急所の1つ)を頭突きで一撃すれば、どんな大男でも隙が出来る。その間に逃げてしまえばいい」のだという。
※この「プロレス以外の格闘技における頭突き」の解説は、「頭突き」の解説の一部です。
「プロレス以外の格闘技における頭突き」を含む「頭突き」の記事については、「頭突き」の概要を参照ください。
- プロレス以外の格闘技における頭突きのページへのリンク