プラトンとアリストテレスの調和とは? わかりやすく解説

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プラトンとアリストテレスの調和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 09:12 UTC 版)

キリキアのシンプリキオス」の記事における「プラトンとアリストテレスの調和」の解説

「私が信じるところでは、よき注解者は哲学者たちの文字の上での差異重大視するではなく、その精神見て大部分においてそれらを支配している調和の点をこそ追求するべきである」 『カテゴリー論注解序文における彼の言葉は、アリストテレスプラトンとの調和(シュンフォーニアー)が、注解としてのシンプリキオスにとって最優先事項一つであることを示している。後期ネオ・プラトニズム枠組みのなかではシンプリキオスシュリアノスプロクロス区別される。後二者アリストテレス批判することにより明確に論争的である。一方プラトン的伝統の歴史の中では調和化する豊かな系統があることも事実であり、ポルフュリオスアンモニオス・ヘルメイウによって始められ系列中にシンプリキオスもおり、ヒエロクレスオリンピオドロスらによってアレクサンドリア続けられた。 この調和させようとするシンプリキオス熱意は、ネオ・プラトニスト達の反キリスト教の態度や、キリスト教徒哲学者ピロポノス対す論争流れ見られるべきである。キリスト教国家宗教となった後、彼等自分たちの儀式教え実践することはますます困難になり、529年ユスティニアヌス布告によって最高潮達したキリスト教徒側は早い時代よりギリシャ哲学者の説は互いに矛盾し統一的な知的伝統持たない非難してきた。ピロポノスギリシャ的伝統を内部から批判することができ、またそれに関するテキストについて優れた知識持っていたことによって危険であったピロポノス哲学説の調和について反対し、その一般的議論は有効ではないと主張した。彼はそれを作り話ミュトス)とさえ呼びもしそれ真実ならアリストテレスそのように明示的に語っただろうと付け加えたギリシャ伝統統合するいうアンモニオスシンプリキオスアプローチの他に、別の系統があったことも忘れてならない。『天体注解』でアリストテレスに対して敵対的な解説者言及しており、シュリアノスプロクロス念頭においていたと思われるシンプリキオスこのような批判に対してピロポノスからの批判よりもはるかに繊細に対処しなければならなかった。プロクロスアリストテレスの語る“動かされない始動者”をアゴノス(非生産)と呼び批判した。しかし、彼の弟子アンモニオス(つまりシンプリキオスの師)は、“動かされない始動者”は窮極的かつ有能原因であると上手く論じた。これは『ティマイオス』における“デーミウルーゴス”と『形而上学』Λ巻における“自己思惟ヌース”を組み合わせる重要なステップとなったシンプリキオスはこの革新的な見解歓迎し彼の同意を以て自然学註解』で引用している。

※この「プラトンとアリストテレスの調和」の解説は、「キリキアのシンプリキオス」の解説の一部です。
「プラトンとアリストテレスの調和」を含む「キリキアのシンプリキオス」の記事については、「キリキアのシンプリキオス」の概要を参照ください。

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