プラトンと伝統的な「神観」の差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:59 UTC 版)
「エウテュプロン」の記事における「プラトンと伝統的な「神観」の差異」の解説
なお、プラトンは本篇の中(6A-B)で、ソクラテスに従来のギリシア神話的な (親子も含めて神々が互いに憎しみ争い合う) 伝統的 (ヘシオドス・ホメロス的) な神観に対して、疑問を投げかけさせている。 中期対話篇『国家』になると、もっと露骨に批判的になり、第2巻(377A-378D)において、そうした「伝統的な(憎悪的・闘争的な)神観」は、「国の守護者」に対する教育においては、人格形成上「有害」だとして、教えることを禁止させている。 また後期対話篇『ティマイオス』(40D-41A)においては、創造主デミウルゴスによって創造された、回転運動する天体/星々としての神々に続いて、「神々の子孫を自称する人々によって証明なしに語られてきた神々も、慣例の従って取り扱う」といった具合に、皮肉を込めてその神々に言及している。 このように、プラトンは伝統的な(憎悪的・闘争的な)神観には、初期から後期に至るまで一貫して批判的だったと言える。
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