プラトン・アリストテレス
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プラトンとアリストテレスは、古代ギリシャの「詩作」(今日で言うところの歌謡や演劇も含む「創作芸術」全般)の本質が、「模倣(真似)」(ミメーシス)であると主張し、後世の芸術論・文芸論・演劇論に大きな影響を与えた。 プラトンは『国家』第10巻でそのことを論じているが、詩人たちは対象についての知識・技術を持ち合わせないまま、大衆の感覚・感情・快楽に訴えかけるようにそれを誇張的・歪曲的に「模倣(真似)」し、人々を真実から遠ざけてしまう存在として批判的に論じており、あるべき国家からは追放すべきだといういわゆる「詩人追放論」を展開している。『ソクラテスの弁明』『イオン』等でも述べられているように、プラトンは詩人を(弁論術・詭弁術を操る)弁論家やソフィスト、あるいは民主政治家などと同じように、大衆を誤った方向へと扇動する危険かつ傲慢な存在であり、国家に必要な哲学者・真の政治家とは対極の存在であることを論じている。 アリストテレスは『詩学』において、創作芸術(詩作)と「模倣」の関係について論じているが、(絵画なども含め)人間が人・物事を「模倣」したり、それによって学習したり、他者の「模倣」を見て悦ぶのは、人間の本性に根ざした自然な傾向であるとして、プラトンと違ってこれを肯定的に評価している。そしてアリストテレスは、「人間の営為」の「模倣」(再現)としての「詩作(歌謡・演劇含む)」の発展に着目し、その最も成熟した形態としての「悲劇」を詳細に論じている。
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プラトン・アリストテレス
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「ミメーシス」の記事における「プラトン・アリストテレス」の解説
プラトン(『国家』第10巻)やアリストテレス(『詩学』)によって、この概念は創作芸術(詩作)の本質を表すものとして認知されるようになった。 プラトンが、詩人たちが行う「模倣」としての「詩作」を、「弁論術」や「ソフィストの術(詭弁術)」と同じように、対象についての知識・技術を持ち合わせないまま、大衆の感覚・感情・快楽に訴えて誘導することを目的としたものとして批判的に捉え、あるべき国家からは追放することが望ましいとすら主張した(詩人追放論)のに対し、アリストテレスは「模倣」は人間の本性に根ざした自然な行為だとして肯定的に捉えた。 なお、プラトンの場合、自然界の個物はデミウルゴス によってイデアの「模造」として作られたという主張を『ティマイオス』で行なっているが、この場合は詩人の場合と違って批判的な意味でこの語を用いてはいない。
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