フリーゲージトレインの採用断念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 16:36 UTC 版)
「九州新幹線 (整備新幹線)」の記事における「フリーゲージトレインの採用断念」の解説
2014年10月からフリーゲージトレインの3モード耐久走行試験が開始されたが、約3万km走行した時点で不具合が発生し12月に試験が一時休止された。2015年(平成27年)1月14日に「整備新幹線の取扱いについて」が公表され、整備新幹線の新規開業区間の貸付料収入を財源に北海道新幹線(新函館北斗 - 札幌間)、北陸新幹線(金沢 - 敦賀間)、及び九州新幹線(武雄温泉 - 長崎間)の完成・開業時期を前倒しする方針が示された。 この中で九州新幹線(武雄温泉 - 長崎間)は「フリーゲージトレインの技術開発を推進し、完成・開業時期を平成34年度から可能な限り前倒しする。」とされた。しかし、フリーゲージトレインの開発方針が不透明となったことから、2016年(平成28年)3月29日の与党整備新幹線PT検討委員会、国土交通省、鉄道・運輸機構、長崎県、佐賀県、JR九州の6者による「九州新幹線(西九州ルート)の開業のあり方に係る合意」が発表された。この合意では、武雄温泉 - 長崎間が完成する2022年度に、この区間にフル規格車両を投入し、博多 - 武雄温泉間を走行する在来線特急との対面乗換方式により開業すること。および、これに関わる施設は整備新幹線スキームで整備すること。佐世保線肥前山口 - 武雄温泉間の複線化事業を整備新幹線スキームで段階的に行い、2022年度の開業時までに大町 - 高橋間の複線化を行うことなどが示された。 2017年(平成29年)7月25日、JR九州の青柳俊彦社長は、「フリーゲージトレインによる運営は困難」だとして、長崎新幹線へのフリーゲージトレイン導入を断念すると発表。一般の新幹線より車両関連費が2倍前後かかり、全面導入すればJRにとっては年間約50億円の負担増につながると試算されたため「前提である収支採算性が成り立たない」とし、また安全性も「まだ確立できていない状態」であることを理由に述べた。同時に、博多 - 長崎間の全線フル規格での整備を求める考えも示した。
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