フランス対アイルランド
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「2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選」の記事における「フランス対アイルランド」の解説
2009年11月18日、フランス・パリ郊外のサン=ドニ(スタッド・ド・フランス)で行われたフランス対アイルランドのプレーオフ第2戦にて、延長戦でのフランスが同点ゴールの際、ボールがネットに入る前にティエリ・アンリの左手に当たっていたとして、アイルランドの選手が抗議をしたが、主審の判定は覆ることはなく、フランス側の得点が認められた。しかし試合後、アンリがインタビューにて、プレー中に手がボールに触れていたことを認めている。 これに対しアイルランドサッカー協会(FAI)は、国際サッカー連盟(FIFA)に対し再試合を要求、同国の首相のブライアン・カウエンが全面的な支持を表明した。 尚、FIFAは「ルールは審判の決定が最終的なものと明記している」として、再試合の実施は不可能との声明を発表。またフランス政府関係者は「アイルランド政府はサッカー界に干渉すべきではない」と政治問題化することをけん制、アイルランドのジョバンニ・トラパットーニ監督は、ビデオ判定導入など誤審防止検討の必要性を訴えた。 これまでの騒動を受けアンリはインタビューに答え、「あの時、手は無意識に動いた」とわざとではないことを告げた上、「一番フェアな解決方法は再試合を行うことだろうが、残念ながらこれは僕が決められることではない。アイルランドの選手には本当にすまないと思っている。」と、アイルランド側に謝罪した。 このインタビューを受けアイルランド協会側は、FIFAに再び再試合を上訴した。尚フランス協会側は、「すでに申し出については回答されており、両国はこれを受け入れなければならない。」と声明を出した。FIFAも再度の再試合要求を却下した。 この事態により、納得のいかないアイルランドサポーター200人が、11月20日と21日にフランス大使館前で抗議活動を行う事態にまで発展FIFAはこの問題やエジプトとアルジェリアの問題、サッカーギャンブル界の不正問題を含めた形で、組み合わせ抽選会の前に特別会議を招集した。特別会議に出席したアイルランド側は「33番目の『特別枠』で出場」を要請し、12月2日の臨時理事会で検討されたが、「不可能な話であり、これを認めれば『他の国はだめなのか』という話になる。」とし、アイルランドの出場の望みは絶たれた。 アイルランドの出場要請は非公式な場で打診されたものであり、にもかかわらずFIFA会長のゼップ・ブラッターがこれを公表したことに対し、FAI関係者は怒りと失望をあらわにし、後にブラッター自身が軽率な発言であったことをFAIに謝罪している。 ただし、先のアイルランド戦での問題が問題視され、フランスはワールドカップ抽選会のシードから外された(この記事には誤りがあり、FIFAランキング9位のフランスには元々シードに入る資格はない。なお抽選の結果、実質シードチームのいないAグループに入ることとなった)。 その後フランスは本大会に出場したが、6月17日のフランス対メキシコ戦の前に、スタンドのファンがアイルランドの国旗を持って、「アイルランドvsメキシコ」と掲げた写真が、アイルランド国内で大きく取り上げられた。その後フランスは1次リーグで敗退。これに対し「絶対にアンリのハンドを忘れない。南アフリカにはアイルランドが行くべきだった。」と、アイルランド側がフランスが敗退したことを喜んだ。。
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