フランス共和国の基本原則とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > フランス共和国の基本原則の意味・解説 

フランス共和国の基本原則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 21:14 UTC 版)

ライシテ」の記事における「フランス共和国の基本原則」の解説

フランスにおけるライシテとは、政治宗教区別分離するフランス共和国の基本原則である。 国家中立的な立場から、(宗教表明が公の秩序乱さない限りにおいて)信教の自由および思想・良心の自由保障しすべての信念宗教無神論不可知論等)を同等に扱う。この原則は、たとえば、1905年成立した政教分離法ライシテ法)の第1章第2条に「フランス共和国いかなる宗教公認せず、俸給与える又は助成金支出することはない」と書かれているとおり、共和主義的平等を目指すものである。 ライシテ政治宗教対立させるものではなく政治・行政から宗教影響排除することが目的である。したがって宗教信教の自由思想・良心の自由という個人の自由領域超えることはない。ただし、ライシテフランス社会深く根ざすものでありながら同時にまた、社会の変化に応じて変わっていることも考慮する必要がある一方で、「ライシテ」という概念曖昧さがないわけではない信教の自由思想・良心の自由区別されるように、ライシテ世俗化 (sécularisation) や中立性 (neutralité) と区別されるが、混同されるまたはすり替えられる場合もある。ライシテに関する歴史・社会学者のジャン・ボベロによると、「世俗化とは、最も広い意味においては近代社会科学技術と結びついた合理性中心とする基準によって機能する社会 ― において、宗教社会的役割衰退することを意味し」、中立性は、哲学者フェルディナン・ビュイソンライシテに基づく国家tat laïque) に与えた定義「すべての宗教に対して中立的で、あらゆる聖職者から独立している」に近くどちらかと言えば受動的な姿勢であるのに対してフランスにおけるライシテはその成立過程根ざした概念であり、 ライシテというときには、受動的静かな中立性よりも、能動的かつ確信的に、公私分離して公的な領域から宗教的な要素排除するという姿勢含意する。価値にかかわる宗教・信仰要素持ち込まないことによってこそ、各人信教あるいは良心の自由確保されるという発想ほかならない公教育いかなる教義をも特別扱いしはならず、また教義によって知性ゆがめられることを許してならない。ここに、革命以来理性主義表出看取することができる。フランス以後、このライシテ国家的原則として掲げ現在にいたる。 20世紀初頭(特に政教分離法の成立時)には、ライシテには、まずもって共和主義価値を脅かすカトリック教会影響排除しようという意図があったが、やがて、伝統的なカトリックとは直接関係のない様々な過激な思想新たな全体主義セクトイスラム原理主義はじめとする宗教的原理主義等)が生まれライシテはより複雑で幅広い文脈置かれている。

※この「フランス共和国の基本原則」の解説は、「ライシテ」の解説の一部です。
「フランス共和国の基本原則」を含む「ライシテ」の記事については、「ライシテ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フランス共和国の基本原則」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フランス共和国の基本原則」の関連用語

フランス共和国の基本原則のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フランス共和国の基本原則のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのライシテ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS