ファイブサーティエイトの選挙予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 21:10 UTC 版)
「ネイト・シルバー」の記事における「ファイブサーティエイトの選挙予測」の解説
詳細は「ファイブサーティエイト」を参照 2008年3月に政治ブログ『ファイブサーティエイト』を立ち上げたシルバーは追跡世論調査を行うのと2008年の一般選挙の結果を予測するためのシステムを開発した。それと同時に、2008年の民主党予備選挙の予測にも取り組んだ。人口統計分析(英語版)に基づく彼の各種予測は実質的にプロの世論調査よりも正確であることが証明され、「Poblano」(シルバーのペンネーム)は信頼性を確保した。 シルバーは2008年合衆国大統領選挙における合衆国50州のうち49州(インディアナ州を除く)とコロンビア特別区の勝者を正確に予測した。彼がそう予測したように、特にミズーリ州とノースカロライナ州が接戦になった。また、2008年の上院選挙(英語版)では35人の勝者全員を正確に予測した。その予測精度の高さによって、海外を含め、彼はさらに高い評価を獲得した。代表的な「政治予言者」として名声を上げることになった。 『ファイブサーティエイト』がニューヨーク・タイムズの管轄下に入った直後に、シルバーは2010年の中間選挙の3つの選挙のための予測モデルを導入した。これらの予測モデルは当初は選挙の歴史と人口統計、世論調査の組み合わせに依拠していた。シルバーは最終的に詳細な予測を発表し、3つすべての選挙結果の分析を行った。彼は37議席の上院議員選挙レースのうち、34議席の勝者を正確に予測した。下院で共和党が54議席を握ると予測し、実際には63議席を獲得した。これはまだ信頼区間に含まれていた。州知事選挙は38のレースのうち、37の勝者を正確に予測した。 シルバーが2012年6月7日に発表したモデルでは、2012年合衆国大統領選挙でバラク・オバマは再選に必要な過半数の270人を21上回る291人の選挙人票を獲得すると予測した。この時のオバマの再選確率はわずか60%程度であった。大統領選挙当日の最終予測では、オバマの獲得選挙人票と再選確率はそれぞれ313人(実際の獲得選挙人票は332人)と90.9%にまで上昇していた。数人の政治評論家がシルバーの予測に懐疑的な見方を示す中、彼は合衆国50州とコロンビア特別区の勝者を正確に予測した。これに対し、ギャラップ調査やラスムセン・レポートはオバマの対抗馬であるミット・ロムニーがわずかに過半数を上回ると予測していた。 2014年9月3日に2014年の上院選挙(英語版)の36のレースについての予測を発表し、共和党が64%の確率で過半数を獲得するとした。約2週間後の新たな予測では共和党が過半数を獲得する確率を55%に下げ、「五分五分の見込み」とした。その後に共和党が過半数を獲得する確率を再び上げ、11月4日の選挙当日の最終予測では76.2%にまで上昇していた。獲得議席数は59.5%の確率で52から54の間になると予測した。実際は共和党が過半数を占めて52の議席数を獲得し、今回も正確に選挙結果を予測した。その一方で、2014年の州知事選挙(英語版)は最終予測で共和党が19の勝利、民主党が16の勝利を収めると予測したが、実際には共和党が24の勝利、民主党が11の勝利を収めた。特に大きく外れたのがメリーランド州で、民主党の「余裕の勝利」を予測していたが、実際は共和党が勝利した。 2015年4月27日にBBC放送はシルバーが5月7日に実施されるイギリス総選挙について「おそろしく厄介な結果」になり、誰が政権を樹立するかはまったく不透明だと述べたことを伝えた。現職のイギリス首相デーヴィッド・キャメロン率いる保守党が283議席、野党の労働党が270議席を獲得すると予想し、どちらも過半数(326議席)超えは無理だとしている。
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