ピアノ協奏曲_(ラヴェル)とは? わかりやすく解説

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ピアノ協奏曲 (ラヴェル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 10:15 UTC 版)

ピアノ協奏曲ト長調』(ピアノきょうそうきょくとちょうちょう、: Le Concerto en sol majeur)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが最晩年に作曲した2曲のピアノ協奏曲のうちの一つ。死の6年前(1931年)に完成され[1]、完成作品としては最後から2番目にあたる[2]。並行して作曲された『左手のためのピアノ協奏曲』(1930年完成)の重厚さ[3]とは対照的な陽気で華やかな性格を持ち、生き生きとしたユーモアと優雅な叙情性にあふれている[4]。作品中には、ラヴェルの母の出身地であるバスク地方の民謡や、スペイン音楽、ジャズのイディオムなど、多彩な要素が用いられているが[4]、ラヴェル自身は「モーツァルトサン=サーンスと同じような美意識」に基づいて作曲したと語っている[5]


  1. ^ フランスの音楽学者マルセル・マルナによるラヴェルの作品目録番号 (M.) は83。
  2. ^ 完成された最後の作品は歌曲集『ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ』(1933年、作品目録の番号84)。
  3. ^ a b c オレンシュタイン(2006: 133)。
  4. ^ a b c d オレンシュタイン(2006: 250)
  5. ^ ラヴェルの友人であった評論家カルヴォコレッシの証言による(オレンシュタイン(2006: 132-133))。また、ラヴェルは協奏曲作曲中にモーツァルトとサン=サーンスのすべてのピアノ協奏曲のスコアを取り寄せている(オレンシュタイン(2006: 257))。
  6. ^ 直訳だと「7集まって1となる」または「7つは1つ」。バスク地方における、4つのスペイン側地域と3つのフランス側地域の統一を意味する(オレンシュタイン(2006: 105))。
  7. ^ オレンシュタイン(2006: 257)
  8. ^ ロンは『クープランの墓』の初演(1919年)もつとめている。(諸井(1984: 111))
  9. ^ 「ラヴェル・フェスティバル」の中で演奏された。
  10. ^ オレンシュタイン(2006: 134)
  11. ^ スコアでは2名となっているが、第1楽章の終結部など、3種類の打楽器が同時を演奏しなければならない箇所がある。
  12. ^ 弦楽器の人数はスコアで指定されている。
  13. ^ 曲の開始は2拍子の2拍目からである。
  14. ^ 諸井(1984: 91)
  15. ^ a b c d e オレンシュタイン(2006: 251)
  16. ^ 平島(1993: 51)
  17. ^ About the Work”. www.kennedy-center.org. 2019年6月27日閲覧。
  18. ^ a b 諸井(1984: 127)
  19. ^ 第1楽章と同様、第3楽章も2拍目から開始される。
  20. ^ 平島(1993: 53)
  21. ^ 平島(1993: 52)


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