ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調 | Sonate für Klavier Nr.25 G-Dur Op.79 | 作曲年: 1809年 出版年: 1810年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 1.Satz Presto alla tedesca | 4分00秒 | |
2 | 第2楽章 2.Satz Andante | 3分00秒 | |
3 | 第3楽章 3.Satz Vivace | 1分30秒 |
作品解説
前作に続きこの作品もまた、私的な美しさが際立っている。演奏時間は10分ほどで、第一楽章のモティーフの扱われ方から「かっこうKuckouソナタ」の呼び名で親しまれている。ソナチネという括りは発表に際してベートーヴェンが出版社に宛てた手紙の中で触れられており、出版に際してソナチネと冠するように指定している。
第一楽章のalla tedescaはドイツ舞曲風に、即ちレントラーを意味している。二人一組での踊りで、当時のドイツ、オーストリア、スイスなどで浸透していた(映画「サウンド・オブ・ミュージック」でヒロインが相手とレントラーを踊る場面がある)。全体を通してのトーンは穏やかで、優しい。第二楽章、第三楽章はそれぞれ典型的な三部形式、ロンド形式である。《熱情》の時期のように様式を発展させていくことで作品の情緒を性格づけていくのではなく、あくまで作品の核になっているのは旋律である点に注目したい。作品78と本作はピアノ・ソナタとしては《熱情》以来4年ぶりの制作となった。しかし前作に続きカンタービレ期のベートーヴェンが試みているロマン派的な志向性はあまり続かず、後期には再び大形式のソナタに立ち返ることになる。
自然を契機に作曲された作品としては《田園》交響曲がまず挙がるが、《田園》でのベートーヴェンが個々の自然との対話の中に神の啓示を見出そうとしていたのに較べ、ここでは、自然に身を置く彼の心象風景があるがままに爪弾かれているようで興味深い。
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