ピアノソナタロ短調とは? わかりやすく解説

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リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

英語表記/番号出版情報
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調Sonate für Klavier S.178/R.21 A179作曲年: 1852-53年  出版年1854年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 

作品解説

2008年10月 執筆者: 岡田 安樹浩

ピアノのために膨大な数の作品残したリストであるが、意外にも「ソナタ」と題した作品はこのロ短調のものが唯一である。作品草稿1851年書かれており、作曲1852年から53年にかけて行われた。この時期彼はヴァイマール宮廷楽長の任にあり、オペラの上演、宮廷演奏会開催男声合唱団指導などに忙殺されていた。にもかかわらずこの期間に『ピアノ・ソナタ』をはじめとしたいくつもの重要な作品(『演奏会用大独奏曲』S.176、『ファウスト交響曲』S.108、『ダンテ交響曲』S.109、『レ・プレリュード』S.97を含む一連の交響詩」など)が作曲されており、この時代彼の人生の中でもっとも実り豊かな時代であったといっていだろう
この作品一般に3つの楽章単一楽章圧縮したものと考えられている。このような作法一連の交響詩」にも見られるもので、管弦楽作品獲得した構成法ピアノ作品応用したとも考えられる全体の構成を〔提示-展開-再現〕という一般的なソナタ形式はめ込む分析もあるが、この作品統一しているのはこのような形式ではなく、「主題変容技法」である。
これはおそらく、ベルリオーズが『幻想交響曲』の中で用いた「イデー・フィクス(固定楽想)」から影響を受けたものであり、この技法特徴は、主題要素さまざまな形変容させて新たな主題生み出してゆくというもので、この『ピアノ・ソナタ』を構成するモティーフは、導入部Lento assai下降音形主題続いて提示される主部Allegro energicoの主要主題集約される。この素材全曲通じてさまざまな形に姿を変えて登場することで楽曲構成されている。
副次主題主調平行調であるニ長調提示されるが、その性格伝統的なソナタ形式のように主要主題対照的なものではなくフォルティシモに強いアクセントともなった壮大な主題Grandioso指示)である。初期段階では、最終的にこの主題主調の同主調であるロ長調回帰しそのまま壮大に曲が閉じられるはずであったことが、自筆譜ファクシミリを見るとわかる。しかし作曲者はこれを変更し中間部あらわれAndante sostenuto主題続いて冒頭導入主題回帰させるようにした。
このほかにリストは、聴き手ソナタ形式意識させつつ、異なるものであることを示す手法とっている。その1つは冒頭導入主題回帰する453小節からで、明らかにソナタ形式再現部意識させるが、その調性主調より半音低い変ロ短調である。
こうしたいくつもの革新的な技法によって作曲された作品に、リストがあえて「ソナタ」という古典的なジャンル名与えたのかは、音楽学者のみならず演奏家諸氏興味もそそることだろう。


シンディング:ピアノ・ソナタ ロ短調

英語表記/番号出版情報
シンディング:ピアノ・ソナタ ロ短調Sonate für Klavier Op.91作曲年1909年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1楽章 Mov.1 Allegro non troppo 1030秒 No Image
2 第2楽章 Mov.2 Andante: Vivace 5分00 No Image
3 第3楽章 Mov.3 Vivace8分00 No Image

「ピアノ・ソナタ ロ短調」の例文・使い方・用例・文例

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