パイオニア0号とは? わかりやすく解説

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パイオニア0号

分類:月・惑星探査


名称:パイオニア0号〜4号
小分類:月探査
開発機関・会社:アメリカ空軍(パイオニア0〜2号)/アメリカ陸軍(パイオニア3〜4号)
運用機関会社:アメリカ空軍/USAF(パイオニア0〜2号)/アメリカ陸軍(パイオニア3〜4号)
打ち上げ年月日:パイオニア0号(1958年8月17日)/パイオニア1号(1958年10月11日)/パイオニア2号(1958年11月8日)/パイオニア3号(1958年12月6日)/パイオニア4号(1959年3月3日)
運用停止年月日:パイオニア0号(1958年8月17日)/パイオニア1号(1958年10月12日)/パイオニア2号(1958年11月8日)/パイオニア3号(1958年12月7日)
打ち上げ国名:アメリカ
打ち上げロケット:パイオニア0〜2号ソー・エイブル/パイオニア3〜4号ジュノー2
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:パイオニア1号(1958007A)/パイオニア3号(1958008A)/パイオニア4号(1959013A)

パイオニア3号までのシリーズは、アメリカ空軍打ち上げた月探査機ですが、いずれも地球引力から脱出できませんでしたパイオニア3号4号は、アメリカ陸軍月探査機で、3号打ち上げ失敗4号は月から約6kmところを通過してソ連ルナ1号に続く史上2番目の人工惑星となりましたパイオニア4号にはガイガー・ミューラー管が積まれていて、地球取り巻放射線帯(バン・アレン帯)などの観測データを、打ち上げ82時間後まで送ってきました

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
パイオニア4号:高さ0.58m、直径0.25mの円錐形です。打ち上げ時の重量は5.87kgです。

2.どんな目的使用されたの?
地球と月の間の宇宙空間放射線観測です。

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
月から5万9983kmを通過、0.9871×1.142AUの太陽中心軌道入りました(アメリカ最初の人惑星)。地球から9kmまでの宇宙空間放射線観測しました

4.打ち上げ飛行順序はどうなっているの?
パイオニア4号は、直行軌道で月へ向かいました


パイオニア0号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 09:50 UTC 版)

パイオニア0号
所属 アメリカ空軍[1][2]
主製造業者 TRW[1][2]
任務 周回[1][2]
打上げ日時 1958年8月17日[1][2]
打上げ機 ソー-エイブル[1][2]
打上げ場所 ケープカナベラル空軍基地第17発射施設[2]
任務期間 73.6秒間[3]
COSPAR ID ABLE1
質量 83.8 lb (38.0 kg)[4]
軌道要素
遠点高度 16 km[2]
搭載機器
主要搭載機器 テレビカメラ, 磁気センサ, 流星塵衝突検出器[4]
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パイオニア0号(Pioneer 0)は、国際地球観測年の一環として、テレビカメラ流星塵検出器・磁気センサを積んで軌道への投入を目的としたが失敗したアメリカ合衆国宇宙探査機である。パイオニア計画の最初の衛星としてアメリカ空軍が設計し、地球の軌道を抜ける最初の試みの1つとなったが、打上げ直後にロケットが故障した。パイオニア(またはパイオニア1号)と呼ばれることとなっていたが、失敗したため、パイオニア0号と呼ばれるようになった。

宇宙船設計

宇宙船は、直径74 cm[3]の薄い円筒形の中央部の両端に高さが17 cmの円錐台が付いた構造をしている[3]。上端から下端までの高さは76 cmである。軸に沿って、下の円錐台末端より11 kgの固体推進ロケットが突き出ている。8つの小型低推力固体推進ロケットは、上部の円錐台に環状に配列し、使用後には投棄される。上部円錐台の先からは、磁気ダイポールアンテナも突き出ている。シェルは薄層プラスチックで出来ており、温度制御のために明暗の縞模様に塗られている。

搭載された科学機器の質量は11.3 kgで、以下のようなものがあった。

  • Naval Ordance Test Station(NOTS)が設計した、月の地表、特に地球より見えない面を調査するための赤外線テレビカメラ[4]
  • 流星塵を検出するための振動板とマイクロフォン。流星塵が振動板に衝突すると音波が発生し、振動板を伝わってマイクロフォンに達する。帯域通過増幅器により信号が増幅され、検出される[4]
  • 地球と月の惑星間磁場を測定するための磁気センサ。当時は、月が磁場を持つか否かは分かっていなかった[4]

ロケット点火にはニッケル・カドミウム電池、テレビシステム用には酸化銀電池、残りの回路には水銀電池が用いられた。電波伝送は、国際地球観測年の人工衛星標準であった108.06 MHzの周波数で[5]、遠隔操作とドップラー測定用には電気ダイポールアンテナ、テレビシステム用には磁気ダイポールアンテナを用いて行われた。地上からの指令は、115 MHzの電気ダイポールアンテナで受信された。宇宙船は、毎秒1.8回転のスピン安定で、スピンの方向はおおよそ子午線面に垂直であった。

打上げと失敗

パイオニア0号は、1958年8月17日12時18分00秒(UTC)、計画された打上げ時間の僅か4分後[3]にアメリカ空軍によって第127号ソーミサイルで打上げられた。打上げ73.6秒後に、高度16 kmでソーの第1ステージ爆発に伴い破壊され、大西洋に落下した[3]。この失敗は、ターボポンプ軸受欠陥により液体酸素ポンプが停止したのが原因であると考えられている[3]。爆発後の123秒間、ペイロードと上段ステージよりエラー信号が受取られ、上段ステージは海に落下させるために追跡された。当初の計画では、2.6日間かけて月まで飛行し、TX-8-6固体推進モーターで2万9,000 kmの月軌道へ乗せられ、2週間運用されることとなっていた。

これは、アメリカ空軍によって実行される唯一のパイオニア計画のミッションとなり、続くミッションからは、アメリカ航空宇宙局に引き継がれた[1]

出典

  1. ^ a b c d e f Pioneer 0, 1, 2”. Mission and Spacecraft Library. Jet Propulsion Laboratory, NASA. 2009年2月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Wade, Mark (2008年). “Pioneer 0-1-2”. Encyclopedia Astronautica. 2008年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f (PDF) 1958 NASA/USAF Space Probes (ABLE-1) Final Report: Volume 1. Summary. Space Technology Laboratories. (1959-02-18). http://www.sdfo.org/stl/1958%20NASA%20USAF%20Space%20Probes%20%28ABLE-1%29%20FINAL%20REPORT.pdf 2009年2月17日閲覧。. 
  4. ^ a b c d e (PDF) 1958 NASA/USAF Space Probe (ABLE-1) Final Report: Volume 2. Payload and Experiments. Space Technology Laboratories. (1959-02-18). http://www.sdfo.org/stl/1958%20NASA%20USAF%20Space%20Probes%20%28ABLE-1%29%20FINAL%20REPORT%20Volume%2002.pdf 2009年2月17日閲覧。. 
  5. ^ Marcus, Gideon (2007年2月14日). “"Pioneering Space"” (PDF). Quest. pp. 52 - 59. http://www.sdfo.org/stl/Pioneer%20Part%20II.pdf 2009年2月17日閲覧。 

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