ハンセン病文学全集に収録された作品
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「島比呂志」の記事における「ハンセン病文学全集に収録された作品」の解説
『林檎』ハンセン病療養所で結婚した相手は青森出身の女性。結核を発病し最後は林檎が欲しがった。主人公は探し、枇杷を手に入れたが間に合わなかった。 『奇妙な国』療養所を小さな国とみなして、その国の奇妙な様態を風刺している。日本国はこの小さな国では滅亡こそが国家唯一の大理想である。日本国は子孫を作らないために男性の精管を切り取ることを条件に衣食住と医療を補償すると明記したのだ。 『永田俊作』ビルマ戦線における人肉食とハンセン病療養所内の生活を、二つの限界状況を組み合わせた小説である。 『カロの位置』断種されたので子供がもてない夫婦が飼っているカロという猫を子供のように可愛いがる。一部屋に3組の夫婦が生活するという異常な環境において、悲しい夫婦の心を猫に託して描いている。 『豊満中尉』元陸軍中尉の男がハンセン病療養所に入って急に軍人としての生きがいを覚えて患者を教練し、戦後は二派に分かれて選挙運動を始めた一方に肩入れして、闘争に熱中し、会長になるとらい予防法改正に反対する人権運動の闘士となる。 『生存宣言』長い間逃亡者として別名で療養所内に生活していた主人公が主宰する同人雑誌の20周年記念に出版した同人の作品集は話題となり、テレビ出演したおかげで、かつての教え子から手紙をもらい、ついに実名を出して生き返る。 『玉手箱』三十年ぶりに取りだした煙草盆に本名が書いてあり、煙草盆と本人が会話するという趣向。逃亡者の悲しい心がよくでている。 『海の沙』戦争中の飢餓と大勢のが師は、戦後の文学熱、プロミン治療、らい予防法改正反対運動、こういう時代と変革のさなかを「私」と「木塚」は同志として生きてきた。
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