【ハリケーン】(はりけーん)
ホーカー社が開発した、第二次世界大戦初期におけるイギリス軍初の低翼単葉戦闘機(後に攻撃機に転換)。
ロールスロイスマーリンエンジンを装備し、イギリス軍の戦闘機で初めて時速480Kmを超えた。
胴体は、鋼管骨組羽布張りという保守的な構造と無骨なデザインを持ち、速度、上昇率、機動力ともに敵対するBf109より劣ってはいたが、比較的単純な作りのためか頑丈さや信頼性には優れていた。
バトル・オブ・ブリテンの頃は既にスピットファイアが登場しており、Bf109と向い合うのはより機敏なスピットファイアが受け持ち、本機は爆撃機の迎撃に駆り出される事が多かったと言われる。
その後は戦闘機としては第一線を退いていくが、地上攻撃機に転用されたり、艦載機型が船団護衛に駆り出されたりと大戦を通じて馬車馬のように働いた。
生産はグロスター、オースチン、カナディアンカー&ファンドリなどでも行われ、総計14,533機が生産された。
参照:RAF

ハリケーンMkIIc
スペックデータ(Mk.II)
乗員 | 1名 |
全長 | 9.8m |
全高 | 3.98m |
全幅 | 12.20m |
翼面積 | 23.92㎡ |
空虚重量 | 2,560kg |
運用時重量 | 3,740kg |
最大離陸重量 | 3,950kg |
発動機 | ロールスロイス マーリンXX液冷V型12気筒(出力1,280HP(955kW))×1基 |
速度 (最大/巡航) | 523km/h(高度5,500m時)/476km/h(高度6,100m時) |
航続距離 | 750km |
実用上昇限度 | 10,100m |
固定武装 | ブローニングM1919 7.7mm機関銃×12挺(Mk.IIB) ヒスパノMk2 20mm機関砲×4門(Mk.IIC) ヴィッカース・クラスS 40mm機関砲×2門(Mk.IID) |
爆装 | 250lb/500lb爆弾×2発、3in.ロケット弾×8発 |
バリエーション
- K5083:
マーリンCエンジン(出力1,025hp)を搭載する原型機。
- Mk.I:
マーリンIIエンジン(出力1,030hp)を搭載する初期生産型。
固定武装は7.7mm機銃×8挺。
- Mk.I(カナダ):
カナダ製のMk.I。マーリンIIIエンジン(出力1,030hp)を搭載する。
- Mk.IIA シリーズ1:
マーリンXXエンジン(出力1,185hp)を搭載する機体。武装はMk.Iと同じ。
- Mk.IIA シリーズ2:
Mk.IIAシリーズ1の主翼下に兵装搭載設備を追加した機体。
- Mk.IIB:
主翼下に爆弾搭載可能とした武装強化型。
固定武装は7.7mm機銃×12挺。
- Mk.IIC:
固定武装を20mm機関砲×4門に変更した機体。爆弾等搭載可能。
- Mk.IID:
対戦車攻撃機型。40mm機関砲、7.7mm機銃を各2門搭載。
- Mk.IIE:
Mk.IVの試作機での名称。
- Mk.III:
マーリン28エンジン搭載機の予定名称。~実現せず。
- Mk.IV:
マーリン24エンジン(出力1,280hp)を搭載する機体。
翼下に万能武装搭載点を装備。
- Mk.V:
マーリン32エンジンを搭載した原型機。原型のみ。
- Mk.X:
カナダ製。
マーリン28エンジンを搭載。Mk.IIA準拠の武装を搭載。
- Mk.XI:
カナダ製。
Mk.Xの機体にMk.IIB(一部はMk.IIC)同様の機銃を搭載。
- Mk.XII:
カナダ製。
Mk.XにMk.IICに準ずる改修を施した機体。
- Mk.XIIA:
カナダ製。
マーリン29エンジンを搭載。主にソ連等へ供与された。
- シーハリケーンMk.IA:
カタパルト発進用にMk.Iを改装した艦載戦闘機型。
- シーハリケーンMk.IB:
艦載用にMk.IIAを改装した艦載(艦上)戦闘機型。
- シーハリケーンMk.IC:
Mk.IB同様の機体だが武装は20mm機関砲×4門に変更されている。
- シーハリケーンMk.IIC:
Mk.IICに艦上機装備を搭載した海軍機標準改装型。
- シーハリケーンMk.XIIA:
Mk.XIIAの艦上機改装型。
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