ハイレンとは? わかりやすく解説

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はい‐れん【×菴】


海菴

読み方:ハイレン(hairen)

カライワシ科海水魚

学名 Megalops cyprinoides


イセゴイ

(ハイレン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/15 07:11 UTC 版)

イセゴイ
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: カライワシ目 Elopiformes
: イセゴイ科 Megalopidae
: イセゴイ属 Megalops
: イセゴイ M. cyprinoides
学名
Megalops cyprinoides
Broussonet, 1782
英名
Indo-Pacific tarpon

イセゴイ (伊勢鯉、学名:Megalops cyprinoides 英名:Indo-Pacific tarponインドパシフィック・ターポン) は、カライワシ目イセゴイ科に属する[1]パシフィックターポンハイレンとも呼ぶ。

形態

見た目は同属のターポンに似るが、ターポンは大西洋に分布し、本種よりはるかに大きい。背面はオリーブグリーン、側面は銀色[2]。口は大きく、上を向いている。下顎には細長い骨板がある。背鰭の最後の条は長く、尾近くまで達する。を空気で満たし、そこから酸素を吸収することができる[2]。淡水に生息する個体は全長50 cmをわずかに超える程度だが、海水に生息する個体は1 mを超え、最大で全長1.5 m、体重18 kg の記録がある[2]。寿命は44年以上で、2年以内に成熟する。レプトケファルスから10日間で変態する[3]

分布・生息地

東アフリカアラビア半島から、南アジア東南アジア南日本フランス領ポリネシアオーストラリア南部に分布する[1]。海岸、河口および淡水の川や湖に生息する。回遊魚であり、川と海を移動する。漁獲量などが不明な為、生息数に関するデータは不足しているが、分布域全体で一般的である。300点を超える標本が博物館に所蔵されている[1]

生態

日和見的な捕食者で、小魚や甲殻類、稀に植物も捕食する。海水では主にエビニシン、小魚を食べ、淡水では主にテナガエビとニシンを食べる[4]

外海と川の間を移動し、主に沖合で年2回産卵する[5]。繁殖は淡水でも海水でも行える[6]。稚魚はレプトセファルス幼生になり、汽水域や淡水域に移動する。

水深50 m以浅の場所の表層で見られる。サンゴ礁マングローブ沼地貯水池氾濫原運河に生息する。パプアニューギニアでは、オオサンショウモの下で発見された[7]

利用

肉質が非常に柔らかく、小骨が多いので下ろすのに手間がかかる。その反面、独特の金属臭があるとされ、食用として利用される事は少ない[8]が、一方で味には問題なく、美味であるという評価もあり[9]、この差がどのような理由によるものかは不明である。

名称

ベンガルでは、koral fish (নানচিল কোরাল)と呼ばれる。インドネシアでは ikan bulan(月の魚)と呼ばれていた。ベトナムでは「cá cháo lớn」 (大きなお粥の魚)と呼ばれている。インドオリッサ州では、Pani akhia と呼ばれる。

シノニム

本種には下記のシノニムが知られる[10]

  • Clupea cyprinoides Broussonet, 1782
  • Elops cyprinoides (Broussonet, 1782)
  • Clupea thrissoides Bloch & Schneider, 1801
  • Cyprinodon cundingus Hamilton, 1822
  • Elops cundingus (Hamilton, 1822)
  • Megalops cundingus (Hamilton, 1822)
  • Megalops curtifilis Richardson, 1846
  • Megalops filamentosus Lacepède, 1803
  • Megalops indicus Valenciennes, 1847
  • Megalops macrophthalmus Bleeker, 1851
  • Megalops macropterus Bleeker, 1866
  • Megalops oligolepis Bleeker, 1866
  • Megalops setipinnis Richardson, 1846
  • Megalops staigeri Castelnau, 1878

出典

  1. ^ a b c d Adams, A.; Guindon, K.; Horodysky, A.; MacDonald, T.; McBride, R.; Shenker, J.; Ward, R.; Sparks, J.S. (2016). Megalops cyprinoides. IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T166868A46642796. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T166868A46642796.en. https://www.iucnredlist.org/species/166868/46642796 2024年1月14日閲覧。. 
  2. ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Megalops cyprinoides" in FishBase. January 2024 version.
  3. ^ Kulkarni, C.V. (1983). “Longevity of fish Megalops cyprinoides”. Journal of the Bombay Natural History Society 80: 230–232. https://www.biodiversitylibrary.org/part/156991. 
  4. ^ Coates, D. (1987). “Observations on the biology of the Tarpon, Megalops cyprinoides (Broussonet) (Pisces:Megalopidae) in the Sepik River, Northern Papua New Guinea”. Australian Journal of Marine and Freshwater Research 38 (4): 529–535. doi:10.1071/MF9870529. 
  5. ^ Leis, J.M.; Reader, S.E. (1991). “Distributional ecology of milkfish, Chanos chanos, larvae in the Great Barrier Reef and Coral Sea near Lizard Island, Australia.”. Environmental Biology of Fishes 30: 395–405. doi:10.1007/BF02027983. 
  6. ^ Ley, J.A. (2007). “Indo-Pacific Tarpon Megalops cyprinoides: A Review and Ecological Assessment”. In Ault, Jerald S.. Biology and Management of the World Tarpon and Bonefish Fisheries. Boca Raton, Florida: CRC Press. pp. 3–36. doi:10.1201/9781420004250. ISBN 9780429124136 
  7. ^ Chen, H.L.; Tzeng, W.N. (April 2006). “Daily growth increment formation in otoliths of Pacific tarpon Megalops cyprinoides during metamorphosis”. Marine Ecology Progress Series 312: 255–263. doi:10.3354/meps312255. 
  8. ^ “イセゴイ 市場魚貝類図鑑”. (2015年4月14日). http://www.zukan-bouz.com/fish/sonota/isegoi.html 2015年9月24日閲覧。 
  9. ^ “戸賀で『イセゴイ』が獲れました‼”. (2015年4月14日). http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1360724012562/index.html 2015年9月24日閲覧。 
  10. ^ Family Megalopidae”. FishBase (2024年). 2024年1月15日閲覧。

関連項目


ハイレン(イセゴイ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 06:05 UTC 版)

浄ノ池特有魚類生息地」の記事における「ハイレン(イセゴイ)」の解説

報告書での学名 Megalops cyprinoides 報告書での名称 はいれん(海奄) ウィキメディア・コモンズには、イセゴイ関連するカテゴリあります。 ハイレンことイセゴイ (英: Indo-Pacific tarpon)はカライワシ目イセゴイ科イセゴイ属に属すであり、学名Megalops cyprinoides (Broussonet, 1782)、標準和名イセゴイである。この一般的にイセゴイ呼ばれるであるが当地では はいれん呼ばれ黒田は「千葉氏所有池」の小さい方の池で数尾生息するのを確認している。形状コノシロ若魚は「コハダ小鰭)」と呼ばれ寿司種として知られる。)に似ている報告種には記載されている。比較大きくなる種であるが、当池で黒田捕獲したものは最大で9寸4分(約28cm)であったという。また、本種は主に台湾沖縄内湾侵入する種として知られるものの、関東から東海近海見られるのは稀であり、伊東と同じ静岡県でも最西部浜名湖周辺では、今日標準和名同じ いせごひ と呼ばれていることなどが報告書記載されている。

※この「ハイレン(イセゴイ)」の解説は、「浄ノ池特有魚類生息地」の解説の一部です。
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